【妊活情報③】 妊活・不妊治療中のサプリメントの摂りすぎには要注意 取りすぎのリスクについて

「妊活中、不妊治療中にどのサプリメントをどれだけ摂ればいいですか?」
「今、〇〇と〇〇と〇〇のサプリを摂ってます。ほかに何を追加すればいいですか?」

これは、妊活中や不妊治療中の方からよくいただく質問です。
ネット上には、「あれがいい」「これがお勧め」と様々な情報が散見していますが、ちょっと待ってください。

サプリメントの摂りすぎはプラスになるどころか、逆に身体に負担をかけることもあります。
この記事では、サプリメントを摂取する際の注意点と、過剰摂取のリスクについてお伝えしていきます。

 

サプリメントはあくまでも栄養補助食品

 

サプリメントはあくまでも補助で摂取するものであって、サプリメントが栄養のメインには取って変わることは出来ません。

本来であれば、日常生活の中で足りない栄養素に追加してサプリメントを摂取するのが理想ですが、何が足りていて、何が足りないのかはなかなか判断がつかないところです。

もちろん、自分でサプリメントの裏面を見ながら、日常の食事と照らし合わせて足りない栄養素を単体でサプリメントから補充できる人は、その方法でもよいのですが、そこまで出来る人はなかなかいません。

そもそもサプリメントは必須ではありませんが、妊活、不妊治療中であればなんらかのサプリメントは摂取しておきたいと思うもの。

そんなときに便利なのが複数の栄養素が入っているマルチ系のサプリメントです。
複数の栄養素が入っているマルチ系のサプリメントを摂取しながら、後は食事から賢く栄養を補給していく方法です。

複数の栄養素が入っているマルチ系のサプリメントであれば必要な栄養素はたいてい網羅されていますから、妊活で気になる最低限の栄養素の摂取は出来ます。少しぐらい食事が偏る日があってもその点はサプリメントである程度カバーが出来ます。

複数の栄養素が入っているマルチ系のサプリメントで足りないと思う栄養素に関心ては食事から摂るようにしましょう。

 

その際に1冊持っていると便利なのが「栄養素辞典」のような書籍です。
管理栄養士の人が持っているような専門書でなくても大丈夫。2000円までで一般的な食材の栄養素が記載されている書籍が本屋さんにいけば手に入ります。
わかりやすいもの、読みやすいものを1冊手元においておけば、日ごろ食べている食品にどのような栄養素が含まれているかわかります。

自分にどのような栄養素が足りていて、どのような栄養素が足りていないのか…
普段の食事と見比べることでわかるようになってきます。
そして足りていないなと思う栄養素は、サプリメントを追加するのではなく食事から積極的に摂っていくようにしましょう。

 

サプリメントの摂りすぎが身体に与える影響

 

サプリメントは食品と違い、栄養素を濃縮させた加工品です。
その為に、食品であればめったに起こらない過剰摂取がサプリメントでは簡単に起こってしまいます。

サプリメントの過剰摂取は、健康を害することもあります。
例えば、湿疹や肌のかゆみ、下痢などの軽度な症状から、肝機能や腎機能に影響を与え、場合によっては命に関わることもあります。

特にビタミンAやビタミンDのような脂溶性ビタミンは過剰に摂取すると体内に蓄積されていくため注意が必要です。
(ただし最近はビタミンD不足が不妊と関係しているのではないかとも言われているため、過剰摂取にならないように摂取していく必要があります)

また、このような脂溶性ビタミンでなくても、体調に異変を感じた場合は、サプリメントの摂取をやめて、必要に応じて病院で医師の診察を受けるようにしましょう。

サプリメントの過剰摂取を防ぐには、複数のサプリメントを同時に摂らないこと、同時に複数のサプリメントを摂取する場合は、必ず裏面で成分含有量を確認することが必要です。

 

 

複数のサプリメントを摂る際は必ずチェックしてほしい裏面

 

それでも、日々の忙しさから食事より複数のサプリメントに頼りたいという人もいるでしょう。

その場合、まずは摂取しているサプリメントに記載されている成分と、その成分の含有量をチェックしましょう。

特に複数の栄養素が入っているマルチ系の妊活サプリを複数飲んでいる方は要注意。
重複している栄養素はありませんか?

妊活系のマルチサプリメントはメインで謳っている栄養素は違っても、様々な栄養素が含まれているので重複している可能性が高くなります。
重複している栄養素は1日の摂取上限を超えている可能性があるので、摂取上限が超えていないか確認する必要があります。

項目によって記載方法は違いますが、各栄養素には「推奨量」「目安量」「耐容上限量」のいずれかが決められています。

まずは飲んでいるサプリメントの量が「推奨量」もしくは「目安量」を超えていないか確認しましょう。
これらを超えている場合は、どれかのサプリメントを摂取をやめましょう。

「耐容上限量」までなら大丈夫なのでは?と思われる人もいますが、これらは普段の食事も含めた量になりますので、「耐容上限量」までサプリメントで摂ることはあまりお勧めできません。
ちなみに1種類のサプリメントしか摂ってない場合は、日本のサプリメントであればこれらの基準をクリアしているはずなのでそこまで心配する必要はありませんが、海外のサプリメントを飲んでいる場合は必ず確認するようにしましょう。

摂取量に関してはこちらの厚生労働省のスライドから確認できます

若しくは日本人の食品摂取基準がまとめられているサイトを参考にするといいかと思います。

情報は5年に1回更新されるため、最新の情報をチェックしましょう

 

 

葉酸も摂りすぎには注意

 

妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のため、普段の食事以外に葉酸を400㎍/日追加で摂取することが、厚生労働省からも推奨されています。

しかしこの葉酸にも1日の摂取上限が設けられており、サプリメントでの摂取上限は1000μg/日となっています。

また、葉酸を400㎍/日追加で摂取することが求められているのは、妊娠3ヶ月までです。
それ以降は、480μg/日を目安に、食品を中心に摂取するように心がけるように言われています。

 

妊娠初期に必須な葉酸ですが、この葉酸も摂取しすぎることで胎児に影響を及ぼす可能性があるというデータも海外では報告されています。

 

妊娠初期はサプリメントでの葉酸の摂取が勧められていますが、サプリメントで摂取するのは厚生労働省が推奨する400㎍/日までにとどめておき、後は食事から摂取するようにしましょう。

胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のためにと規定量以上摂取しようとする人もいますが、必要以上に摂取しないように注意が必要です。

 

参考資料:e-ヘルスネット

 

サプリメントの効果を過剰に期待しない

 

サプリメントは健康補助食品のため、サプリメントを摂取したことで”妊娠できる”などの効果を期待することは残念ながら出来ません。

サプリメント摂取から3ヶ月、半年以内に妊娠したという話を聞くと、サプリメントの効果を信じてしまいそうになりますが、これらはサプリメントの摂取のタイミングと妊娠のタイミングが偶然一致しただけであって、サプリメントの効果とは一概には言えません。

サプリメント摂取から3ヶ月、半年たっても妊娠に至らないと、サプリメントを追加すれば効果が出るかと思ってサプリメントを追加する人も少なくありませんが、これらは過剰摂取による健康被害のリスクもある為、さらに効果を求めてあれこれとやみくもにサプリメントを追加することはお勧めできません。

しかし、ビタミンDの不足に関しては妊娠の影響を及ぼすことがわかってきています。
ただ、自己判断でビタミンDサプリを増やすのではなく、一度検査を受けて、医師の指示のもとビタミンDを追加するかどうか決めましょう

 

妊活・不妊治療中のサプリメントを取り入れる場合は

・複数のサプリメントを同時に摂取しない。同時に摂取する場合は摂取目安量を超えないようにする
・サプリメントの過剰摂取には注意する
・何か体調に異変があった場合はサプリメントを中止し医師の診断を受ける
・サプリメントはあくまでも健康補助食品であり、妊娠に過度な期待をしない
・あれこれとサプリメントに手を出す前に、食事や生活習慣の見直し、妊活期間が長い場合はまずはクリニックを受診する

上記のことに注意しながら賢く取り入れるようにしましょう。

 

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