【妊活・不妊治療基礎知識②】シリンジ法は妊活効果的? シリンジ法の正しい知識と使い方

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個別相談でよく「シリンジ法ってどう思いますか?」というご質問を頂くことが結構あります。
妊活関連のネット情報やSNS、広告などでみかけた人も多いかもしれません。

この記事ではシリンジ法を妊活に取り入れるメリットや注意点について解説していきます

 

シリンジ法は妊活に効果的なのか?

「私はこの方法に出会って妊娠しました」

なんていうシリンジ法を勧める広告を見たことがある人も少なくないのではないでしょうか?

SNSなどの投稿を見ていても次は「シリンジ法」にチャレンジします・・・なんていう投稿を見かける事もあります。
まるで通常の性行為より妊娠率が高いような書き方をしているものもありますし、中には病院等で行われている人工授精と同等の物だとSNSなどで書いている人を見かけることもあります。

「シリンジ法」で検索すると色々な体験者の声が載せられており、妊活に悩んでいる人であれば「私もこの方法を試せば妊娠出来るかも?」と思ったことがある人もいるかと思います。

 

では実際にシリンジ法は効果があるのか?
家庭で手軽に行えるシリンジ法・・・正直なところ、そこまでメリットはありません。

特に普通に定期的に性行為が行えるカップルや夫婦に関してはわざわざ「シリンジ法」を試してみる価値はほとんどないでしょう。

性交渉が苦手、性交渉が上手くいかないカップルにとっては試してみる価値はありますが、少なくとも「奇跡の」とか多くの人にとっては「妊娠率をあげる」妊活法ではない点を知っておくことが必要です。

 

 

シリンジ法と人工授精の違いは?

シリンジ法とよく勘違いされるのが「人工授精」です。
中には「シリンジ法って自宅で出来る人工授精なんですよね?」という質問を頂くこともあります。

確かに注射キットを使うと言う点においては似ているかもしれませんが、「人工授精」と「シリンジ法」は全く別物です。

シリンジ法は採取した精液をシリンジで吸い上げて膣内から入れていくだけの工程ですが、人工授精の場合は子宮内に精液を入れる前に採取した精液を処理するという手間が一つ加わります。
細菌や白血球など不要なものを取り除いた後、優秀な(運動率が良好など)精子だけを集めて濃縮したものを子宮内に入れていきます。

またクリニックや病院等で行う人工授精の方がより奥(子宮腔内)へ精液を届ける事が可能です。
自宅で行うシリンジ法では奥まで入れる事は衛生面や傷をつけてしまうリスクが高いので出来ません。
あくまでも膣内に専用のキットで入れるのが限界です。

人工授精とシリンジ法では精子の調整方法や、どこまでカテテールの部分(シリンジの先につけるもの)を入れられるかなどの違いがあり、これが妊娠率に影響を及ぼすことになります。

またクリニックや病院で人工授精を行った場合は抗生物質が出される場合があると思いますが、自宅でシリンジ法を行う場合は感染症予防の為の抗生物質の処方もありません。

 

 

シリンジ法が有効な場合は?

とはいえシリンジ法が有効な場合もあります。

・性的交渉が上手くいかない
・性的交渉に苦痛を感じる場合
・あまり性行為が好きではない
・排卵日近くに複数回回数とる事に苦痛を感じている
・排卵日がプレッシャーになってしまう
・仕事の関連ですれ違い(交代勤務など)でタイミングがとりづらい
・お子さんが近くで寝ていて中々落ち着いてタイミングが取れない

このような場合は上手くシリンジ法を活用してみるのも一つの方法かもしれません。

特に今は、性交渉が上手くいかないカップルや、性行為があまり好きではないカップルも増えてきています。
間違ったマスターベーションの影響で女性の膣内でうまく射精できない男性もいます。

もちろん上手くいかない性行為を医師と共に治療しながら改善していくのも一つの方法でしょう。
でも時間は待ってくれません。
その時間がもどかしく感じお互いにイライラをぶつけてしまう場合もあるかもしれません。

そんな場合はシリンジ法を試すか若しくは不妊治療をされているクリニックに相談することも一つの方法です。

このような話をすると、中には夫婦の性行為の先に妊娠があるべきだと言われる方もいますが、私はこのような場合は性行為と妊娠(妊活)は切り離して考えても良いのではないかと思っています。

男性側がに求められるように女性がもっと努力するべきだというような意見も見かけますが・・・
性行為がなくても夫婦生活やカップル間が上手くいっているのであればそれはそれで良いのではないでしょうか?

 

夫婦生活という面に拘りすぎて、時間だけが過ぎてしまう事の方が妊娠に関しては大きな問題になります。

性交渉が上手く出来ないカップルにとってはシリンジ法を積極的に試してみるのも一つの方法です。ただし、シリンジ法はあくまでも、タイミング法の代わり。半年ほどチャレンジしてみても妊娠に至らない場合はクリニックを受診するようにしてください。

 

 

シリンジ法の注意点は?

 

シリンジ法にを試すとなった時に気を付けてほしい点いついて説明していきます

 

1 まずは一般医療機器としてきちんと認可を受けた商品を使いましょう。

膣内とはいえ身体の中で使用するものです。
製造・保管など衛生管理がわからないものは使用しないようにしてください。
信頼のおけるところから購入することが大切です

クリニックで相談すると、クリニックで購入できる場合もあるようですので既にクリニックを受診されている場合は、医師に相談してみてもいいでしょう。

 

2 使用する際は手をよく洗い、爪なども短く切っておきましょう。
長い爪やネイルアート等で膣内を傷つけないように注意してください。

 

3 シリンジ法実施後にオリモノに変化あったり、出血があった場合や、何かいつもと違う感じがする場合は病院に相談しましょう。
その際に使用したキットのパッケージや商品説明の書かれたものがあれば念の為持参しておくと良いかと思います。

 

4 採取した精子はすぐに使用しましょう

精子は時間とともに運動率が落ちていきます。シリンジ法の場合、膣内までしかシリンジを入れることが出来ませんので、精子を採取後は速やかに膣内に入れるようにしましょう。また精子を採取する際は、コンドームの使用はNGです。

 

 

シリンジ法はあくまでも自己流妊活の一つ

人工授精との違いの所でも少し触れましたが「シリンジ法」は自己流妊活法の一つです。
どうしてもうまく性行為が出来ないやタイミングがとりづらい場合に利用するものです。

例えば、普通に性行為が出来る、排卵日前後でそれなりにタイミングが取れるというカップルが試す必要はないでしょう。

普通にタイミングを1年近く取っているにも関わらず妊娠しないのであれば、「シリンジ法」を試すのではなくまずは不妊検査が可能なクリニックや病院に行って検査を受ける事をお勧めします。

もしかしたら、うまく排卵出来ていなかったり、卵管が詰まっていたり、精子の数や状態の問題があったりと不妊の原因がみつかるかもしれないからです。

 

シリンジ法はステップアップでもクリニックに行く前にチャレンジしてみる方法でもなく、あくまでも自分たちでタイミングを取る方法の延長である事を頭の片隅に置いておいてください。

 

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