【妊活情報④】妊娠を考えたタイミングで確認しておきたい風しんワクチンの接種有無と風しんワクチン接種にかかる費用は?

妊娠を考えたタイミングで「風しんの抗体があるかどうか確認しましょう」という話を耳にしたことがある人も多いかと思います。
最近は、不妊治療の最初の検査で風しんの抗体価を調べ、抗体価が低い場合はまずは風しんワクチンの接種を勧めるクリニックもあります。

なぜ風しんの抗体価を調べられるのか?
なぜ風しんワクチンの接種が必要なのか?
ワクチンの抗体検査と接種にかかる費用は?

について解説していきます。

*最後に麻疹ワクチンに関する情報も追記しました 2023年6月09日

 

なぜ妊娠前に風しんの抗体がないといけないのか?

 

風しんの抗体(十分な免疫)を持たない妊娠中の女性が、妊娠20週頃までに風しんウイルスに感染すると、難聴、白内障、先天性心疾患などの症状を持った先天性風しん症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。
その為、事前に風しんの抗体があるかどうか確認し、もし風しんの抗体が不十分な場合は妊娠前に風しんワクチンを接種することで、妊娠中に風しんにかかるリスクを下げ、結果的にお腹の中の赤ちゃんが先天性風しん症候群になることが予防できます。

その為に事前に風しんの抗体があるか確認することが求められています。

 

以下のような場合は妊活を始める前に、風しんの抗体があるかどうか検査をしてみることをお勧めします

・過去に風しんのワクチンを一度も接種していない、若しくは1回しか接種していない
・風しんに罹った記憶が曖昧
・ワクチン接種の記録が残っていない
・風しんの抗体があるかどうか不安

 

先天性風しん症候群の話をすると、風しんの抗体があるかどうかの確認は女性だけで良いように思われがちですが、男性も上記に当てはまる場合は一度風しん抗体の検査を受けるようにしましょう。

風しんは子供がかかると比較的症状が軽くて済みますが、大人がかかると発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。また発疹の出る前後1週間は他人に感染させる可能性もあります。

この期間に風しんの抗体を持たない妊娠中の女性に感染させてしまう可能性もゼロではありません。
まれにですが、ワクチンが接種出来ない人や、何度ワクチンを接種をしても抗体が思うように出来ない人もいます。
会社や通勤途中、街中、どこで風しんの抗体を持っていない妊娠中の女性に出会うかもわかりません。

 

多くの人が免疫を持つことで感染の流行を抑えることも可能です。
風しんの抗体があるかどうかわからない人は一度検査を受けてみてください。

この抗体検査は一定の条件を満たせば無料で受けることも可能です。

 

風疹の抗体を持たない人がなぜこんなにいるのか?

 

実は風しんの予防接種を一度も受けずに成人したのは女性より男性の方が多いのです。

風しんの予防接種は2000年4月2日以降に生まれた人は、男女ともに定期接種にで2回接種していますが、それ以前の世代は未接種だったり、1回接種だったりします。

1962(昭和37)年4月1日以前の生まれ 男女ともにワクチン未接種世代
1962(昭和37)年4月2日-1979(昭和54)年4月1日生まれ 女性のみワクチン接種開始(1回接種) 男性は未接種
1979(昭和54)年4月2日-1987年(昭和62)10月1日生まれ 男女ともに中学生に定期接種開始(1回接種 個別対応の為接種率は低い)
1987(昭和62)年10月2日-1990(平成2)年4月1日生まれ 男女とも1-7歳半に定期接種が開始(1回接種 個別対応)
1990(平成2)年4月2日-2000(平成12)年4月1日生まれ 男女とも1-7歳半に定期接種(特例措置で2回接種が始まった世代)
2000(平成12)年4月2日以降生まれ 男女ともに定期接種で2回受けている世代

 

みなさんはどの世代に当てはまりますか?
妊娠を考えている世代の多くは、女性は1回接種、男性は1回接種若しくは接種していない世代だと思います。
その為、風しんの抗体が十分ではない可能性が高い世代になります。

風しんのワクチンは十分な抗体を作るために2回接種が推奨されています。
風しんに罹患記録がない、若しくは1回接種、1回も接種していない場合は、風しんの抗体があるかどうかを確認してみてください

 

 

風疹ワクチンが無料若しくは一部助成金で接種出来る場合

 

上で書いたように、風しんワクチンが2回接種の対象になったのは2000年うまれ以降の人になります。
風しんにかかっていないと風しんの抗体を十分に持っていない人も少なくありません。
そのため国や市町村で無料や一部補助金で抗体検査やワクチン接種が出来る制度を整えています

 

昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性の場合

 

住んでいる市区町村から、風しん抗体検査と予防接種のクーポン券が送付されていると思います。
もし、手元になければ一度市役所や保健所等に問い合わせてみてください

この世代の方は、無料で抗体検査と抗体が十分でなかった場合は無料で予防接種が受けられます。

まずは抗体があるかどうかを確認する必要があるため、健康診断か近くの医療機関で採血をして検査を行います。
その結果、抗体が不十分であると分かった場合は、近くの医療機関でワクチンを接種します。

勤務先の集団での健康診断でも抗体検査が受けられる場合がありますので、一度社内の担当者の方に確認されてみてください。

詳しくは厚生労働省のHPに記載があります

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index_00001.html

 

妊娠を希望する女性、妊娠を希望する女性の配偶者等

 

住んでいる市町村等によっては、妊娠を希望する女性やその配偶者、妊娠中の女性を持つ配偶者等が全額、若しくは一部市の負担で風しんの抗体検査や、ワクチン接種が受けられる場合があります。

市町村によっては麻しんの予防接種も助成金を出しているところもあります。

昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性に当てはまらなくても、一部費用を負担でワクチンの抗体検査や予防接種が可能な場合もありますので、風しんの抗体の有無を確認したい場合は、まずは自分の住んでいる市町村に問い合わせてみてください。

また「〇〇市(住んでいる市町村を入力) 風しん 抗体検査」等検索すると、お住いの地域の助成がわかる場合もありますので、まずはネットで確認してみてもいいかと思います。

 

風疹ワクチンが無料で接種できない場合はどうしたらいい?

・昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性の場合
・妊娠を希望する女性やその配偶者
・妊娠中の女性を持つ配偶者等

上記には該当しないけど、ワクチン接種を受けたい場合も一度市や県で助成があるかないか確認してみましょ。
市や県で助成がない場合は、個人で医療機関に予約してワクチン接種を受けることになります。

この場合は、抗体検査をしないでワクチン接種を受けるというのも一つの方法になりますので、一度医療機関で相談されてみてください。

費用は医療機関によって違いますが…

風しんワクチン単体 5,000円~7,000円前後
麻しん・風しんワクチン 10,000円~12,000円前後

これぐらいの金額が相場かと思います。

 

妊娠初期に風しんにかかると、先天性風しん症候群でなんらかの障害を持った子供が生まれてくる可能性が上がります。
妊娠を望む女性だけではなく、周りも風しんの抗体を持つことで少しでもそのようなリスクが下げることが出来ればと思います。

 

2023年6月追記 麻疹に関する情報

2023年に入って、国内で麻疹の感染が報告されています。

風しん同様、接種回数が不十分のため抗体が十分にない人もいます。
麻疹ワクチンに関しては、国からの補助は現時点ではありませんが、妊娠を希望しているカップルに関しては麻疹ワクチン接種も検討されてください

妊娠中の麻疹罹患は流産や早産を起こす可能性が出てきます。またワクチン未接種の乳児が麻疹に感染した場合は命に関わることもありますので、妊娠前に麻疹の抗体を持っておくことが大切になります。

ただしワクチン接種から2ヶ月間は避妊が必要になりますので気を付ける必要があります

 

 

 

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