【夫婦で妊活】男性は本当に妊活や不妊治療に協力的ではないのか?②

前回のこちらの記事

【夫婦で妊活】男性は本当に妊活や不妊治療に協力的ではないのか?① の続きになります。

前回の記事では、男性は本当に妊活や不妊治療に協力的ではないのか?という点に関して、以下の4つの視点から1,2について私の考えを述べていきました。

1そもそも夫婦間で意見の統一は出来ていますか?
2男性の方が圧倒的に情報が不足している
3男性が不妊クリニックに1歩が踏み出せない理由とは?
4女性より男性の方が自然に任せる傾向がある?

 

前回のまとめ

・妊活や不妊治療において女性が1人で抱え込みすぎて、男性はそこまで考えていない
・夫婦間で、妊活や不妊治療の話をほとんどしたことがなくコミュニケーション不足
・男性の意識がそこまで向かないのは、男性向けの妊活や不妊治療に関する情報が不足しているのではないか
・女性ほど男性は妊活や不妊治療の情報が手に入りやすくない

今回残りの2点について考えていきたいと思います。

 

 

3 男性が不妊クリニックに1歩が踏み出せない理由とは?

 

男性が不妊治療に無関心、クリニックにいってくれない…こんなお声をよく聞きますが、実は無関心なのではなく、1歩を踏み出せないのではないか?そんな風に感じています。

では、なぜ男性が不妊クリニックに1歩が踏み出せないのでしょうか?過去に伺った中からいくつかあげていきたいと思います。

・平日は仕事や残業などの関係で行くことができない。
・女性ばかりのクリニックというイメージで足を踏み入れずらい
・不妊クリニックは怖いイメージがある
・長時間待たされることが苦痛
・休みの日は疲れているから休みたい(待ち時間の長いクリニックに行って疲れたくない)
・検査を受ける勇気がない
・悪い結果が出たらショックだから
・自分は大丈夫だ…と思っている
・そんなに焦らなくても大丈夫だと思っている

 

女性は仕事の時間をやりくりして、長い待ち時間を我慢して行ってるのに…と思われるかもしれませんが、男性がクリニックに行く事をためらうのに上記のような理由を見聞きします。

確かに男性の意識の問題もあるでしょうが…男性の意識を変える事ばかりに目を向けていては何も解決しません。

例えばクリニック側が交代制などを利用しながら診療時間を伸ばすというのも一つの方法ですし、そもそも残業が当たり前になってしまっている働き方をかえる必要もあります。

男性が定時退社をすることに理由が必要な事の方がおかしいのです。これは女性もそうですけど、「不妊クリニックに通っているので残業ができません」と勤務時間外の事まで関与される今の働き方にも問題があるのです。2019年からスタートした働き方改革で改善されていくことを願ってやみませんが…

待ち時間の問題に関しては、予約制にするのも一つですし、携帯に連絡が入るようにすれば(某回転ずしの予約システムみたいなもの)、近くのカフェ等で待つ事も可能です。

検査結果の受け止め方に関しては、こればかりは私も男性ではないので本当のところまでは理解できないところもありますが、ここは検査を受ける事の必要性を論理的に伝えていくしかないかと思います。「ショックを受ける」という事に共感しているだけでは先に進むことが出来ませんから。
ここでも結局は、男性側に必要な知識と情報の提供が必要になっていくのではないでしょうか?

 

4女性より男性の方が自然に任せる傾向がある?

 

これは夫婦でご相談に来られた方と話していて気づいたのですが、女性より男性の方が「自然」に任せたがる傾向があります。もちろんすべてではありませんが、治療をしてまで子どもは考えていない…という方もいらっしゃれば、体外受精で使用する薬の多さに奥さまの身体の事を心配される方もいます。

また、さらに現実的な考え方だと治療費の費用対効果のお話しになることもあります。確かに不妊治療ってかかる費用に対して結果が必ずしも伴うわけではありませんから。

でも、やはり「自然」になんとかならないのか?と考えていらっしゃる方が多い傾向にあります。また、ネットで「自然」で授かる方法をあれこれと調べて来られる方も少なくありません。

 

まとめてみると男性が自然に任せるのは…
・薬をたくさん使用することに対して身体の負担にならないか心配
・かかる費用において結果が伴っていない事に関する疑問
・ネットで調べすぎて情報にふり回れている
・そんなに焦らなくてもそのうち授かるだろう…

というパターンに分類されることがお話を伺っていると多いように感じます。

 

まとめ

これは女性にも当てはまることですが、妊娠や不妊について私達は誰から学ぶ事もなく大人になりました。不妊当事者になって慌てて、書籍やネットで調べたり、講演会やセミナーに参加したと言う方も少なくないと思います。

しかしこれらのほとんどは女性向けに書かれた書籍だったり、セミナーがほとんどです。また、女性側の情報が多いのも事実です。その為、どうしても男性は情報不足の中、不妊治療について決めて行かなければなりません。奥さまに言われるまま不妊クリニックに足を運んでくれる男性もいれば、やはりある程度自分で調べて、納得してから決めたいという方も少なくありません。

男性が妊活・不妊治療に協力的ではないと言う前に、どうすれば男性に必要な情報が届くのかを考える事が先決ではないかと思います。

そして、妊娠・出産は結婚したら自然に任せているうちに…というのはもう遥か昔のことなのかもしれません。
夫婦でどのようなライフプランを描いているのかをきちんと話し合っていくことが必要な時代になっているのだと思います。

子供は欲しいのか欲しくないのか?治療をするのか自然に任せるのか?何人欲しいのか?これからはそういうことをしっかりと話し合っていく必要があるのではないでしょうか?

言うは易く…かもしれませんが、何より一番大切なのは夫婦でどうしていきたいかきちんと話し合っていくことだと思います。夫が協力的ではないとぼやく前に、ここでしっかりコミュニケーションを取ることがまずは一番必要なことではないでしょうか?

 

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≪プロフィール≫

笛吹 和代

 

関西を中心に活動し、臨床検査技師の国家資格を保有する、日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー

自身の不妊治療退職をきっかけに「働く女性の不妊治療退職ゼロ」を目指して、妊活や不妊の悩む女性の個別相談を行ったり、セミナー講師として活動したり、妊活や不妊をサービスとする専門家向けの講座も行っている。

また、働く女性向けサイトで妊活コラムも担当

2017年5月 医療職とファイナンシャルプランナーによる妊活や不妊で悩む女性を支援するプロジェクトチームを立ち上げる。2018年9月には第1回目の妊活イベント「ワタコレ」を関西で開催し100名を超える方で当日はにぎわった

≪経歴≫
1979年滋賀に産まれる
不妊治療の末2012年に男児を出産

子どもの頃から身体の仕組みに興味があり、医療系の学部に進学する。
卒業後は検査センターで様々な検査や健診に携わったのち、製薬メーカ・化粧品メーカで専門職として勤務する。28歳で結婚、29歳から妊活をスタートするものの妊娠にたどり着かず、32歳で前職を退職し、33歳で第1子を出産

その後健診現場に復帰するが、自身の経験から不妊で悩む女性の支援をしたいと事業をスタートさせる。現在は当事者支援と不妊予防を伝える事に力を入れている。

≪講座開催実績≫
2015年より自身で講座主催をする傍ら
大津市男女共同参画センター様、漢方薬局様、鍼灸師団体様 カルチャーセンター等で妊活や不妊、女性の身体に関する講座を開催

≪コラム掲載≫
奈良の子育て応援アプリ「ぱーぷるmama」にてコラム掲載
専門家によるパパママ応援サイトIKU♡LOVEにてコラム掲載
NAILIST JOBで女性向け コラム掲載
働く堅実女子のお悩みサイトsuits-womanで妊活コラムを担当

≪取材実績≫
日本成人病予防協会 妊活ページ取材

≪ラジオ出演≫
インターネットラジオ fmGIG 「マゴちゃんのツナガリっちょラジオ」出演
インターネットラジオ fmGIG 「コトリカの輝くママきっぷ 」出演

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