【夫婦で妊活】男性は本当に妊活や不妊治療に協力的ではないのか?①

最近ようやく不妊の原因の半分は男性であるということが知られ、男女ともに検査を受けるのが望ましいと言われるようになってきました。
しかし、旦那さんがあまり協力的ではない、なかなか病院に検査に行ってくれない、排卵日というと嫌な顔をされる…こんな話も度々耳にします。

女性は何回もクリニックに通い、内診台にもあがり、薬飲んだり、痛い注射を我慢しているのに…男性は…という批判的な展開になっていくのもSNS等ではよくみかける光景です。
そして時には男性が妊活や不妊治療に関しては他人事だというコラム記事まであがってきます。

しかし、「不妊クリニックにいかない男性は妊活や不妊治療に非協力的であり、妊娠を女性任せにしている」という一言で片づけてしまってもいいのでしょうか?

男性が協力的ではない…そんな風に女性に捉えられてしまうには実は様々な問題が潜んでいるのではないかと思うのです。

そこで4つのポイントを2回にわけてお届けしていきたいと思います。

1そもそも夫婦間で意見の統一は出来ていますか?
2男性の方が圧倒的に情報が不足している
3男性が不妊クリニックに1歩が踏み出せない理由とは?
4女性より男性の方が自然に任せる傾向がある?

 

1そもそも夫婦間で意見の統一は出来ていますか?

 

実は不妊のご相談を受けていると、夫婦間で意見の統一がされていないご夫婦にお出会いすることが少なくありません。
女性の方が妊活や不妊治療にかなり前のめりになっていってしまっており、それに男性がついていけていない…
そんな印象を受ける事も少なくありません。

この場合、男性は妊活や不妊治療を他人事と思っているわけではありません。
ただ、事の展開の速さについていけていないのです。

これはご相談時によくお話しさせて頂くことなのですが…

多くの女性は避妊をしなくなったと同時に頭の中で「妊娠」について考え始めます。
特に子供を望んでいれば、生理が来るか来ないかドキドキするものです。
最初の数ヶ月はあっ…今月も生理来たのねとそこまで気にしません。

しかし、半年・9ヶ月と過ぎていくうちに「あれ?」と思うようになります。
もしかして私不妊??と考え始め、ネットでアレコレ調べるようになります。

しかし、この時多くの男性は「不妊」なんて考えてもいないのです。
そのうち授かるだろう…とそんな風に考えていることがほとんどです。

そして1年経っても妊娠の兆候がない。
周りの友人たちが妊娠・出産を迎えている…
女性ってこのような状況になると焦り出すものなんです。

そしてネットで次は不妊クリニックなどの情報を集め出します。

この時点で男性と女性では持っている情報に大きな開きが出てくるのです。
女性は数ヶ月から半年かけて色々調べ、もしかしたらサプリメントを飲み始めたり、温活をしたり、体質改善をしたり…妊活に良いと言われることを調べては実施してきたかもしれません。
でもやっぱり妊娠しない…そこで次はクリニック情報を集め不妊クリニックに行こうと考えます。

そしてようやくこのタイミングでご主人に「不妊」についての話を切り出します。

そんなこと考えてもみなかった男性にとっては青天の霹靂なのです。
心の準備が全くできていない…そんなタイミングで突然言われてもとなる男性も少なくありません。

 

2 男性の方が圧倒的に情報が不足している

 

1と被る部分もあるのですが、一般的には妊活や不妊治療の情報に関しては男性の方が不足しています。書店にいけば女性向けの妊活雑誌が何冊も売られています。一般書籍コーナーでも不妊治療体験記や医師などが書いた妊活や不妊に関する書籍が手に入ります。

またネット検索、SNSでも女性目線で、女性向けの情報をたくさん手に入れる事が可能です。

私達のように不妊カウンセリングを仕事としている立場であっても男性不妊の情報や男性向けに書かれた情報を手に入れるのはたやすくはありません。最近はエッセンス的に少し書かれたものは増えてきましたが、男性メインに書かれているものはやはり限られてきます。

女性に関してはSNSで匿名という状態ですが、妊活や不妊治療に関する情報交換も一般的に行われるようになってきました。

しかしながら男性で発信している人は、医師や鍼灸師等を除いてはまだまだ少ない状態です。

そして何より「妊娠・不妊は女性の問題」という考え方が社会に根強く残っています。
少しずつですが、女性の不妊治療と仕事の両立支援を行う企業は増えて来ています。しかし、その中で男性を想定してつくられている制度はどれぐらいあるでしょうか?不妊治療においては男性は女性についていくもの…そんな風に考えている企業や管理職の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

男性の場合、仕事でのストレスや過労、食生活が精子に影響するとも言われています。
だからこそ、男性にも妊娠や不妊に関する適切な知識や情報が必要なのですが、それらが不足しているのが現状だったりします。

 

男性が妊活や不妊治療に協力的でない…そんな風に捉えられてしまう要因の一つに十分な情報と知識の提供がされていないということもあるのではないかと考えます。

それでは次回は

3男性が不妊クリニックに1歩が踏み出せない理由とは?
4女性より男性の方が自然に任せる傾向がある?

について書いて行きたいと思います。

 

 

妊活・不妊相談のご案内

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≪プロフィール≫

笛吹 和代

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関西を中心に活動し、臨床検査技師の国家資格を保有する、日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー

自身の不妊治療退職をきっかけに「働く女性の不妊治療退職ゼロ」を目指して、妊活や不妊の悩む女性の個別相談を行ったり、セミナー講師として活動したり、妊活や不妊をサービスとする専門家向けの講座も行っている。

また、働く女性向けサイトで妊活コラムも担当

2017年5月 医療職とファイナンシャルプランナーによる妊活や不妊で悩む女性を支援するプロジェクトチームを立ち上げる。2018年9月には第1回目の妊活イベント「ワタコレ」を関西で開催し100名を超える方で当日はにぎわった

≪経歴≫
1979年滋賀に産まれる
不妊治療の末2012年に男児を出産

子どもの頃から身体の仕組みに興味があり、医療系の学部に進学する。
卒業後は検査センターで様々な検査や健診に携わったのち、製薬メーカ・化粧品メーカで専門職として勤務する。28歳で結婚、29歳から妊活をスタートするものの妊娠にたどり着かず、32歳で前職を退職し、33歳で第1子を出産

その後健診現場に復帰するが、自身の経験から不妊で悩む女性の支援をしたいと事業をスタートさせる。現在は当事者支援と不妊予防を伝える事に力を入れている。

≪講座開催実績≫
2015年より自身で講座主催をする傍ら
大津市男女共同参画センター様、漢方薬局様、鍼灸師団体様 カルチャーセンター等で妊活や不妊、女性の身体に関する講座を開催

≪コラム掲載≫
奈良の子育て応援アプリ「ぱーぷるmama」にてコラム掲載
専門家によるパパママ応援サイトIKU♡LOVEにてコラム掲載
NAILIST JOBで女性向け コラム掲載
働く堅実女子のお悩みサイトsuits-womanで妊活コラムを担当

≪取材実績≫
日本成人病予防協会 妊活ページ取材

≪ラジオ出演≫
インターネットラジオ fmGIG 「マゴちゃんのツナガリっちょラジオ」出演
インターネットラジオ fmGIG 「コトリカの輝くママきっぷ 」出演

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