【妊活とメンタル①】 「子供はまだ?」心無い言葉をスルーする力なんて必要ない
年末年始、GW、お盆の時期になると必ず耳にするのが、「実家や義実家への帰省が憂鬱」という話。
これは結婚前なら…「結婚はまだか?」と言われ
結婚していれば「子供はまだか?」と聞かれ
一人子供がいれば「二人目はまだか?」と言われ…
よくも飽きずに他人のプライベートに口をはさんでくるよね…というのが毎回毎回繰り広げられるからです。
もちろん今年の年末年始もこのような話がSNSのあちこちで見られました。
そして、それに伴い「帰省対策」のコラム記事も…
ただその中で気になったものがありました。
それは、「言っている方は、特に深くは考えていないのだから、あいさつ程度に受け流しておこう」という内容。
確かに言っている方はあいさつ代わりなのかもしれません。きっと深くは考えていないのでしょう。
だからと言って、言われている側が我慢してニコニコしている必要はありません
ストレスを感じた時の対処法
「あいさつ程度に受け流しておこう」実はこういわれるのには理由があります。
ストレスを感じた時の対処法として
・ストレスを根本から解決する
・ストレス発散できる何かをもっておく
・ストレス耐性を身に着ける
よくこれらの内容が言われます。
今回の「子供はまだ?」という心無い言葉を例にあげると、
根本からの解決→相手にそういう発言をさせない
ストレスの発散→その場は我慢して何か別のもので発散させる
ストレス耐性→言われても気にしない
今回の、「あいさつ程度に受け流しておこう」という言葉は、3番目のストレス耐性を身に着けるに当てはめることが出来ます。
確かに相手を変えることは簡単ではないし、相手にそういう発言をさせないというのはなかなか難しいもの。
その点、ストレス耐性を身に着けることは「自分で出来る対処法」のため、どうしてもそのようなアドバイスがコラムなどで増えるのだと思います。
確かに「あいさつ程度に受け流しておける」人は受け流しておけばいいと思います。
これが一番、波風を立てない方法だからです。
その後に、頑張ったご褒美に〇〇を買おうや〇〇に美味しいものを食べにいくなど、何か楽しみを用意しておくのもありでしょう。
ただ、私は「あいさつ程度に受け流しておこう」という方法は、あまりお勧めしません。
もちろん、これが出来る人はいいのですが…
「あいさつ程度に受け流す」ことが出来ない場合、二重に自分を責めてしまうこともあるからです。
受け流せない自分を責める必要はない
年末年始に、帰省時の憂鬱な言葉は「あいさつ程度に受け流しておこう」という記事をいくつか見かけた時に、この記事を読んで、受け流せない自分を責める人がいなければいいのだけど…思ったのです。
「子供はまだ?」「二人目は?」と言わてれ、嫌な思い、辛い思いをし、いろんな感情が渦巻いた人もいるでしょう。
中にはパートナーと喧嘩になった人、両親や親せきとギクシャクした人もいるかもしれません。
そこに「あいさつ程度に受け流しておこう」という記事を見かけたらどう思うでしょうか?
「あの時、私が我慢しておけばよかったのでは…」と思った人もいるかもしれません。
もしかしたら、「あんなのあいさつみたいなものなのに」と言われて余計にストレスがたまったなんて人もいたかもしれません。
受け流せない自分を責め、また次にやってくる帰省に胃が痛くなる人もいるでしょう。
でも、「あいさつみたいもの」と言われたって、そのような心無い言葉を受け流して我慢する必要なんてないんです。
ましてや、受け流せなかった自分を責める必要もありません
誰かが我慢すればいい時代はもう終わり
そもそも他人のプライベートに口を出し、心無い言葉を言ってくる方が問題なのです。
子供を持つ持たない、いつ何人子供を持つのか、治療をするのかしないのか、これは当事者だけが決められることであり、家族であれば、親せきであれ、気軽に他人の人生設計に口を出す権利なんて本来はないはずなのです。
もちろん、ここで不妊治療中だと話をして理解してくれるような身内であればいいですが…必ずしもすべてがそうとは限りません。
不妊治療中だと言ったばかりに、あれこれと余計なおせっかいを焼いてくる親せきや身内もいます。
お酒の勢いでさらに余計なセクハラまがいの発言をする人もいます。
このような発言が出るのはリプロダクティブ・ヘルス・ライツがきちんと浸透していない日本、あるあるなのだと思います。
しかし、これらを我慢する時代はもう終わりです。
確かに一昔前なら、「耐えて受け流せ」と言われたかもしれません。でもそれをいつまでも繰り返す必要はなんてありません。
本来、他人のプライベートに口を出さないのがマナーです。
「嫌なものはイヤ」我慢なんて必要ないのです。
心無いことを言ってくる人とは合わないという選択肢もあり
もう今後は帰省しない、親せき・身内には合わないと距離を取れる場合はいいのですが、多くの人はそうはいかないと思います。
なんだかんだと言いながら、年末年始ぐらいは帰省しておこうか…という流れになる人達がほとんどです。
そのたびに憂鬱な帰省…
実はこの問題、結婚しても、子供を一人出産しても、2人出産しても実は続くことがほとんどです。
言ってる本人にとってはあいさつみたいもの。
次々にプライベートな話を聞いてきます。
これらの問題は、その場であれこれと言っても「まぁまぁ」とたしなめられて終わりにされがちです。
少し期間をあけて、次の帰省までに義実家のことであればパートナーから、自分の実家のことであれば自分から「今後、子供の話や子供の催促はしないでほしい」とはっきりと言っておくことが大切です。
そこで理解・納得してもらえればいいのですが、そうでない場合は帰省しない、もしくは帰省しても短時間であいさつ程度にとどめておくなどの選択もありです。
無理して、我慢して、心無い言葉に傷つけられに行く必要はないのですから…
ましてや、自分だけが耐えて「スルーする力」を身に着ける必要なんてありません。
「結婚は?」「子供は?」「二人目は?」こんなことを聞くこと自体が非常識だということが当たり前な世の中に1日も早くなってほしいと思います。
最後に
もしかしたら、この記事を読んでくださった人の中には何気なく「子供は?」「二人目は?」と日常会話で聞いてしまっていた人もいるかもしれません。
聞いてる人にとっては、何気ないあいさつ代わりの言葉であっても、妊活・不妊治療、不育症に悩んでいる人にとっては「刃物」のような言葉にもなりかねません。
妊活中や不妊治療中だから配慮しなければならない…ではなく、こういうプライベートに関しては、誰に対してもこちらからは聞かないという認識を広めていけたらと思っています。
information
メルマガの案内
個別相談の案内 臨床検査技師・認定不妊カウンセラーの資格を持つ専門家が妊活・不妊治療のご相談にのります 現在、オンラインで開催中
お問い合わせ 研修講師・執筆などのお仕事の依頼も受けております。
書籍の案内
|