【働く妊活】 不妊治療連絡カードの活用 企業側の準備

久しぶりのコラム記事となってしまいましたが…

【働く妊活】 不妊治療連絡カードの活用 の続きとして「企業側の準備編」を書いていきたいと思います。

前回は特に提出する側が提出時に気を付けたい4つのポイントについて記載させて頂きました。
1 今の自分の状況をきちんと説明しましょう。
2 目安となる期間を伝えよう
3 詳しい説明を求められたら
4 治療を辞めるように言われたら

不妊治療連絡カードは提出して終わりのものではありません。

そこから企業側と従業員とで仕事の進め方などをすり合わせていく必要があります。
だからこそ、受け取る企業側にも最低限の知識が必要になってきます。

 

企業側に必要な準備とは?

1 上司、管理職が妊娠や不妊治療に関する知識を有していますか?

私自身もそうだでしたが、今の40代、50代の方のほとんどが自分の身体や健康について学ぶことなく過ごしてきました。
もちろん妊娠についても正しい知識を学ぶ機会はありませんでした。

ネットや雑誌、場合によってそういう類の映像から知識を入れたという人も少なくないのではないでしょうか?

今でこそテレビで話題になり多くの人が知っている知識となりつつありますが…

・卵子は老化する事
・不妊の原因の半分は男性にもあること
・男性も年齢とともに生殖能力が下がる事

これらの情報もほんの数年前までは多くの方が知らない事でした。
不妊は他人事であり、男性に不妊は関係ないそう思っていた方も少なくないのではないでしょうか?

妊娠に関する基本的な事から、不妊治療に関する基本的な知識、そして仕事に影響を及ぼすポイントはどこなのか?
時間の融通だけでいいのか?業務量軽減だけでよいのか?メンタル的なサポートは必要なのか?

どこまで企業としてバックアップしていくのか?を考えていくうえで最低限の知識と情報が必要になってきます。

 

2 ネットやSNSの情報を鵜呑みにしていませんか?

「妊娠や不妊治療に関する情報や知識が必要」と言われるとまず思い浮かべるのはなんでしょうか?

SNS?インターネット検索?妊活雑誌?一般書籍?

実はどれもあやふやな情報が多い世界です。
SNSやネットがあやふやであるのはわかるが…雑誌や一般書籍なら大丈夫だろうと思われがちですが、こちらも個々の主義主張があり必ずしも統一した見解が得られるわけでもなく、時には目を覆いたくなるような極端な意見が書かれたものに出会う事もあります。

しかし、これは一定の基本的な知識を持っているからこそ判断出来ることだったりします。

また、ネット上にある不妊クリニックのHPの記載なら実際に診療にあたっているクリニックが出しているものだから良いのではないか?と思いがちですが、こちらも一つの意見としては間違ってはいないのですが、その考え方が全てではなくそれだけを一つの情報と鵜呑みしてしまうのは危険です。

専門的な知識を有した人から学ぶのが結果的には一番の近道になります。

 

3 ベースとなる制度を準備出来ていますか?

さて、妊娠の事も不妊治療の事もある程度は理解できた。となると次に必要になるのは不妊治療と仕事の両立を支援するための制度です。

特別休暇制度をつくるのか?それとも休職制度をつくるのか?今ある制度で転用できる制度の拡大をするのか?それとも有給で時間給が取得できるようにするのか?
不妊治療の費用を助成する制度をつくるのか?社内でカウンセリングを受けられる環境を整えるのか?
どれぐらいの期間この制度を利用できるようにするのか?

どのようにサポートしていくのか?制度の基本を考えていくことが必要になります。

また従業員がさほど多くない企業であれば都度対応という形も一つの選択肢でしょう。
しかし、その場合は個々によって支援に差が出ないようにしなければなりません。

 

4 制度の内容をしっかりと従業員に落とし込めていますか?

不妊治療と仕事の両立に悩む人が増えたことから、不妊治療と仕事の両立を支援する制度がる企業は年々増えていっています。このコラムの最初でも紹介しましたが、行政においてもそれらの支援制度がつくられはじめています。

しかし、制度はつくって終わりではありません。
これらの制度がきちんと利用されないと意味がありません。

そもそも制度の存在が知られていないから使えないというのは論外ですが、制度はあるのは知っているが使える雰囲気や環境にないというような状況は少なくないのではないでしょうか?

それらの例に男性の育児休暇をあげることが出来るのではないかと思います。
数年前、国をあげて男性の育児休暇取得を推奨しましたが、やはり中々浸透しないのが現実です。

不妊治療と仕事の両立制度においても、制度をつくって終わりではなく利用できるような環境を整えていくことが必要になってきます。

 

5 どのように面談し、どのようにサポートしていくのかシュミレーションは出来ていますか?

制度は整えた、基本的な知識は管理職も含めて従業員向けに研修も行った。

となると次に必要になるのが、不妊治療と仕事の両立支援に深く携わって行く人の研修や教育です。

1人1人の状況に合わせてどのようなサポートがベストなのか?そしてそれは同時に会社や同じ部署で働く人に極端な負担が偏らないか?
当事者の要望だけを受け入れて一緒に働いている人の要望はきちんと聞けていないということはないか?

不妊治療と仕事の両立は紙一枚だけで動くような制度ではありません。
ケース、ケースに応じた対応が必要になってくるため、それらに対応できる人材の育成も必要になってきます

 

社内でのサポート体制構築を支援

上の5つの項目を社内だけで行うのはかなり大変な業務になります。

特に制度導入初期は知識や不妊で悩んでいる人の対応の経験がないため専門家の助けが必要になってきます。

そこで不妊治療と仕事の両立支援に取り組む企業様のサポートやそれらの企業を様支援したい行政様のでの研修講師等をさせて頂いております。

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