【不妊の現状】 本当に不妊は高齢だけが原因なのか?

不妊治療当事者にとっての一番の悩みは「治療費」と言ってもいいぐらい、不妊治療にかかる費用は多くの当事者の悩みです。
そして多くの当事者や元不妊治療経験者が「不妊治療の保険適応」を願ってやみません。

実際に保険適応を願ってNPO法人Fineさんなどは地道な活動を続けられています。

そんな不妊治療を経験した、今経験している多くの人が願ってもやまない「保険適応」の問題。
もちろん、保険適応に向けて課題が山積なのは多くの当事者が理解していること。
それでも声をあげなければ届かない…そんな思いでSNSで声をあげておられる方をツイッタ―を通してたくさんおみかけします。

 

私も先日のとある発言をうけてこんな投稿をしています。

 

そのとある発言とは…
「不妊の原因は高齢が原因だから費用対効果を考えると保険適応は難しい…」
という産婦人科医の発言でした。
(諸々がありますのでリンク等は省略させて頂きます)

 

 

本当に不妊の要因は「高齢」だけなのだろうか?

不妊治療の高齢化が問題視される時によくみかけるのがこのグラフ

 

 

参照 http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2013/201402/201402_02.html 内閣府男女共同参画より

添付できるグラフ化されている最新のデーターが2010年しか見当たらなかったのですが、2016年の報告ではさらにこのグラフは右側(高齢側)にずれています。

こちらを参照 https://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/2016data_20180930.pdf
39歳から42歳あたりにピークが固まっているのが見て取れると思います。

 

ちなみにこのグラフの総治療数は体外受精の治療数を表しています。

これだけ見ると、「ほらやっぱり、不妊のほとんどの要因が高齢だから…」となってしまいそうですが、本当にそうなのでしょうか?

 

体外受精実施年齢が高齢になるわけは?

上記のグラフをみてもらったわかるように、年齢別の件数のピークは30代後半から40代になります。
しかし誰もが自分の意思で体外受精を先延ばしにしているのでしょうか?

実は個別相談で色んな方のお話を伺ったり、SNSを通して様々な方の意見を伺っているとそればかりとは思えない現状が見えてきます。

 

≪体外受精が高齢化する要因≫

・結婚そのものがおそく妊娠を望んだ時期が既に高齢であった
・仕事に没頭していて気づいたら40歳手前だった
・30歳前半で不妊クリニックを受診したがまだ若いから…と言われてクリニックに足が遠のいた
・若さを理由に体外受精でなくても大丈夫と言われ、数年のレベルでタイミングと人工授精を繰り返し気づいたら40歳手前だった
・ステップアップにあまり熱心ではない医師だった為気づいたら40歳手前だった
・体外受精が出来ないクリニックに通ってしまった為、そこで数年を費やした
・最初の体外受精で医師に不信感を感じしばらく治療から離れていた
・必要な検査をしないで(男性不妊検査等)とりあえずでタイミング法が進んだ
・金銭的に躊躇してしまい、40歳手前になって慌ててステップアップを考えた
・不妊治療よりまずは体質改善と周りに言われてそれを信じて実行していた

 

もちろんご自身の理由で妊娠を望むタイミングが高齢であったという人もいらっしゃるでしょう
しかし、30歳前後で治療を望んだにも関わらず、医師や病院の方針で同じ治療を繰り返し気づけば40歳手前と言う人や、周りのまだ不妊治療までしなくても…という言葉を信じて気づけば…という人も少なくないのです。

 

体外受精の実施が高齢になった背景には実は様々な理由が隠れています。
「自己責任」 この一言で片づけてしまうにはあまりにも横暴なのではないか?そんな風に感じるのです。

 

クリニックのHPに「不妊治療」と書いてあれば、そこのクリニックは不妊治療の専門医なんだ…多くの人はそう思います。
しかし、数ある診療項目の一つとして「不妊治療」も看板に掲げているクリニックも少なくないのです。

 

 

クリニック選び、治療方針の判断を本来患者側に求めるものではない

私は自分自身の苦い経験、そして様々な相談者さんのお声から、「不妊治療はクリニックや医師任せにはしないで」と伝えています。
クリニック選びにおいても「自分たちでご自身にあったクリニックを選ぶ事が大切」とお話しさせて頂いています。

 

でも、時折思うのです…
なぜ?ここまで患者側が勉強して考えなければならないのか?と…
保険も適応されない高額な治療費を支払っているにも関わらず…と

 

私達が医師のやり方にあれこれ口を出す事は出来ません。
出来るのは、そこの不妊治療クリニックに通っている患者さん当事者のみです。
それでもご相談者さんのお話を伺っていると「なんで??」と思う事は数知れずあります。
ご相談者さんも「??」と思う事は多々あるけど、うまく医師に伝える事が出来ないと悩まれている方も少なくありません。

 

でも、クリニック選びや治療方針で歯車を掛け違えてしまうと…あっという間に高齢不妊治療者になってしまう。
それが今の不妊治療の現状なんだと…

 

だからこそ不妊治療当事者が賢くならないと仕方ない…
クリニック選びから、そこのクリニックの治療方針まですべて自分が選んだものとして責任を持たされる…
「自己責任」という言葉で片づけられる…

なんとも言えない「やるせなさ」を感じざる負えません・・・

 

年齢に関係ない不妊の要因もある

確かに、年齢は不妊の大きな要因の一つです。
しかし、年齢は関係ない不妊の原因もあります。

 

例えば…
・卵管閉塞
・子宮内膜症によるもの
・多嚢胞性卵巣症候群
・甲状腺機能異常によるもの
・高プロラクチン等ホルモン異常によるもの
・続発性無月経等による無排卵
・原発性無月経
・男性不妊(乏精子症 無精子症等)

 

もちろん、不妊の要因は複雑に絡み合ってる事もある為、原因がわかって治療したからといって必ずしも妊娠にたどり着くとは限りません。
でも、年齢に関係なく不妊に悩んでいる方の中にはこのような診断できる原因がある人もいるのです。

「不妊は疾病ではないから…」そんな発言もありましたが…
全てを疾病ではないと言い切って良いのか?そんな疑問もあります。

 

まとめ

不妊の問題を 「不妊の原因=高齢」 この一言で終わらせてしまって良いのでしょうか?
実は年齢関係なく不妊悩んでいる人もいます。
早くから不妊治療クリニックに通っていたにも関わらず…という人もいます。

 

また、これだけ年齢を不妊の原因とし、妊娠に対する知識が十分でない事を問題としているにも関わらず、その為の対策がされているようにはあまり思えません。

 

自分が、家族が、身内が「不妊治療当事者」となって初めて、「支援」や「知識普及」の必要性に気づくのかも?しれません。

 

不妊=高齢=自己責任 で終わらせてしまうのではなく、なぜ?これほどに高年齢での体外受精実施が多いのか?その背景も含めて議論し、解決策を模索していく必要があるのではないか?と思います。

 

 

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≪プロフィール≫

笛吹 和代

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関西を中心に活動し、臨床検査技師の国家資格を保有する、日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー

自身の不妊治療退職をきっかけに「働く女性の不妊治療退職ゼロ」を目指して、妊活や不妊の悩む女性の個別相談を行ったり、セミナー講師として活動したり、妊活や不妊をサービスとする専門家向けの講座も行っている。

また、働く女性向けサイトで妊活コラムも担当

2017年5月 医療職とファイナンシャルプランナーによる妊活や不妊で悩む女性を支援するプロジェクトチームを立ち上げる。2018年9月には第1回目の妊活イベント「ワタコレ」を関西で開催し100名を超える方で当日はにぎわった

≪経歴≫
1979年滋賀に産まれる
不妊治療の末2012年に男児を出産

子どもの頃から身体の仕組みに興味があり、医療系の学部に進学する。
卒業後は検査センターで様々な検査や健診に携わったのち、製薬メーカ・化粧品メーカで専門職として勤務する。28歳で結婚、29歳から妊活をスタートするものの妊娠にたどり着かず、32歳で前職を退職し、33歳で第1子を出産

その後健診現場に復帰するが、自身の経験から不妊で悩む女性の支援をしたいと事業をスタートさせる。現在は当事者支援と不妊予防を伝える事に力を入れている。

≪講座開催実績≫
2015年より自身で講座主催をする傍ら
大津市男女共同参画センター様、漢方薬局様、鍼灸師団体様 カルチャーセンター等で妊活や不妊、女性の身体に関する講座を開催

≪コラム掲載≫
奈良の子育て応援アプリ「ぱーぷるmama」にてコラム掲載
専門家によるパパママ応援サイトIKU♡LOVEにてコラム掲載
NAILIST JOBで女性向け コラム掲載
働く堅実女子のお悩みサイトsuits-womanで妊活コラムを担当

≪取材実績≫
日本成人病予防協会 妊活ページ取材

≪ラジオ出演≫
インターネットラジオ fmGIG 「マゴちゃんのツナガリっちょラジオ」出演
インターネットラジオ fmGIG 「コトリカの輝くママきっぷ 」出演

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