妊活・不妊治療当事者同士のコミュニティーや交流会に参加する時の注意点

妊活中や不妊治療中に同じような悩みを持っている人と交流したい、話がしたい、そんな風に思ったことはありませんか?

もう10年以上前の話ですが、私自身もそう感じ、当事者コミュニティーに所属していたことがありました。

ただ当事者コミュニティーに参加したからと言って、必ずしも心のモヤモヤが晴れるわけでも、前向きになれるわけでもありません。当事者コミュニティーにもメリット・デメリットがあります。

この記事では当事者コミュニティーや交流会に参加する際の注意点について書いていきます。

 

様々な形の妊活・不妊治療当事者コミュニティー

一言に当事者コミュニティーや交流会と言っても様々な形があります。

・クリニックで通院中の患者さんを対象にした交流会
・行政主催の交流会(この場合は保健師や助産師、ピアカウンセラーがオブザーバーになることが多い)
・個人のカウンセラー等が募集して開催するもの
・当事者同士のコミュニティー

また参加者の層も本当に様々であり、治療期間や年齢、治療ステージ、1人目不妊なのか?2人目不妊なのか?をわけて募集しているものもあれば、誰でも参加可能で募集しているものもあります。

妊活・不妊治療当事者のコミュニティーや交流会に参加する時は、誰が主催しているのか?オブザーバー的な存在はいるのか?参加条件はあるのかな、どのような人が参加しているのかなどを事前にきちんと確認する必要があります。

 

 

妊活・不妊治療 当事者コミュニティーや交流会の選び方

実は私自身は当事者コミュニティーへの参加は、ある程度の条件が揃わない限りあまりお勧めしていません。

特に誰でも参加可能で継続的なコミュニティーを築いているものは、外からは見えないだけでトラブルも多いということを知っておいてください。

それでも、やはり同じ治療をしている人と話がしてみたい、他の人の話が聞いてみたい、そんな場合は以下の条件を参考に選んでみてください。

 

お勧め1 医療機関主催のコミュニティーや交流会

他院の情報も知りたいという時には、医療機関主催のコミュニティーや交流会では情報が得られませんが、それ以外の悩み(治療のやめ時、夫婦のコミュニケーション、仕事との両立 周りの友人や両親との付き合い方)で、他の人の話が聞いてみたいというのであれば、まずは医療機関主催のコミュニティーや交流会がお勧めです。

すべてのクリニックで開催されているとは限りませんが、状況がよくわかった専門家がオブザーバーとして進行してくれることから、心理面的にも一番安心して参加できる場所だと思います。

テーマが明確になっていれば、そこまで治療ステージが混在した状況にならないのもお勧めのひとつです。

 

お勧め2 行政主催のコミュニティーや交流会

こちらも基本的には、医療者やピアカウンセラーなどの専門家が進行してくれることがほとんどです。

行政主催の場に参加する時は、治療ステージが混在していなさそうな、少人数のコミュニティーや交流会を選ぶのがお勧めです。

行政主催の場合は、単発開催や継続開催でも事前に回数が決まっていることがほとんどです。そのため独自のグループが出来にくく一人でも参加しやすいかと思います。

当事者コミュニティーに参加しようと思うのであれば、まずは上記の2つを探してみてください。

 

 

上記以外の妊活・不妊治療当事者コミュニティーや交流会を選ぶ時の注意点

ただ、必ずしも医療機関や行政主催のコミュニティーや交流会が参加できる範囲であるとは限りません。その場合SNSなどで探すことになると思いますが参加する前に以下の点に注意してみてください

 

①SNSで告知などしている会は主催者の情報を必ずチェックしよう

妊活・不妊治療当事者のコミュニティーを残念ながらビジネス利用する人もいます。SNSで告知しているものに参加する場合は、必ず主催者の情報を調べるようにしましょう。

宗教・ネットワークビシネス 民間療法や独自メソッドへの勧誘などあやしげなものも実は少なくありません。

また初めて参加する場合は、個人の自宅やオフィスなどで開催されているものは要注意です。出来れば、カフェの個室や公共施設などで開催しているものの方が安全です。

また単発開催なのか、継続的にコミュニケーションの場が設けられているコミュニティーなのかも事前確認しておきましょう。一見後者の方がよく見えますが、トラブルが多いのも後者になります。

 

 

②不妊治療を否定しているコミュニティーには近寄らない

妊活・不妊治療当事者をサポートしている人の中には、不妊治療そのものを否定し、通院をやめ体質改善からの自然妊娠を強く推してくるような人もいます。

不妊治療をする、しないは最終的には本人の判断になりますが、わざわざ不妊治療を否定しているコミュニティーに近寄る必要はありません。

 

 

③オブザーバーに妊活・不妊治療の正しい知識を持っている人がいるコミュニティーを選ぶ

個人主催の会だからこそ、オブザーバーに妊活・不妊治療の正しい知識を持っている人がいるコミュニティーを選ぶようにしましょう。

当事者同士が取りまとめていると、様々な面でトラブルにも発展しやすくなり、知らない間に巻き込まれているなんてことも。

また特定の人ばかりが話す、偏ったアドバイスになってしまうということも防げますので、オブザーバーがいるコミュニティーの方が安心です。

 

 

④少人数・治療ステージ別、もしくはテーマが明確なコミュニティーを選ぶ

テーマが不明瞭、治療ステージが混在しているコミュニティーや交流会は基本お勧めしません。せっかく勇気をもって参加したのに、「自分が聞きたい、話したい内容ではなかった」「他人の発言に傷ついてしまった」なんてことも起こりえます。

特に治療ステージが違うと、求めている内容が全然違ってもきます。落ち着いて交流するためにも、治療ステージが近い人が集まるコミュニティーを選ぶようにしてみてください。

 

 

当事者コミュニティーや交流会に参加する時の心構え

当事者コミュニティーは本当に様々な人がいます。何気ない一言で傷つく、相手を傷つけることもあることを知っておきましょう。

事前に心構えがあるとないでは、その後トラブルに巻き込まれる率が減りますので、以下の点について少し意識しておいてください

 

 

①他人の妊娠に一喜一憂する場合はコミュニティーをお休みする

治療期間が長くなれば、長くなるほど、他人の妊娠にモヤモヤしてしまうのは仕方ありません。中にはコミュニティーに入ってきたのに、すぐに妊娠してコミュニティーを抜けていったという人を何人も見ている人もいるでしょう。

他人の妊娠に一喜一憂してしまい、言わなくてもよい一言が出てしまうのであれば、コミュニティーはいったんお休みすることをお勧めします。コミュニティーの中で、吐き出すよりカウンセラーの方にマンツーマンで話を聞いてもらう方がいいでしょう。

妊活・不妊治療のコミュニティーはみんなが一斉に妊娠して終了の場所ではありません。後から入ってきた人が先に妊娠することもあります。それを受け入れるのがつらいのであれば、コミュニティーへの所属はあまり向いていないと思っておいた方がいいです。

 

 

②割り切った関係性がお勧め

コミュニティー参加期間が長くなると、付き合いが長くなる人も1人や2人出てきます。中にはコミュニティー外でも連絡を取り合い、ランチやカフェにいくこともあるでしょう。

ただ、そのような場合でもあくまでもライトな関係性を築くようにしておきましょう。相手が先に妊娠することも、自分だけが妊娠することもあります。

相手の妊娠も喜べる、妊娠後にも一緒にいられるという関係性まで発展していればいいですが、なかなかそこまでに至るのは難しいものです。

不妊治療中はお互いに割り切った関係にしておくようにしましょう。

 

 

③個々の情報を鵜呑みにしない

コミュニティー内には1人か2人ぐらい、治療の知識や情報に精通している人がいることがあります。ただその人の情報が必ずしも正しいとは限りません。

その人だから功を奏したという方法もあります。特にクリニック選びや治療方針は、個人個人の状態で大きく左右されますので、他人の情報を鵜呑みにするのは危険です。

不妊治療の保険適用に関しても、クリニックごとに方針が違うため、イチ病院の方針を全体の方針と勘違いしないように注意しましょう。

また長年治療をしている人の情報が正しいわけではありません。経験値が多いため、どうしてもその人の情報が正しいと思い込みがちですが、あくまでも参考程度に聞くようにしましょう。

 

 

メンタル面や、情報提供面での当事者支援の仕組みが必要

当事者同士のコミュニティーに参加する場合の、コミュニティーの選び方や参加時の注意点について記載してきましたがいかがでしたでしょうか?

いらぬトラブルに巻き込まれずに、気持ちよく参加できるように参考にしてみてくださいね。

この記事を書きながら、当事者同士のコミュニティーが求められるのは、妊活・不妊治療に関して情報が入手しにくい、メンタル的なサポートが整っていないなどの支援提供側の問題も大きいのではないかと感じました。

妊活・不妊治療当事者の方が、当事者同士で悩まなくてもいいように、メンタル面や、情報提供面での当事者支援の仕組みづくりを進めていく必要があるのではないでしょうか?

 

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