国際女性デーに思う 女性が自分の健康を守り、仕事も妊娠・出産も叶えられる社会へ

3月08日は国際女性デー。ネット上でも国際女性デーにちなんだイベントをあちこちで見かけました。
この国際女性デー、別名「ミモザの日」と呼ばれていることもあって、3月08日はミモザの写真やイラスト、またミモザカラーである黄色のカラーを見かけた人もいるのではないでしょうか?

ただ「国際女性デー」はまだまだ日本で本来の意味を知ったうえで浸透はしていないように感じます。それがゆえに、なんか3月に入って春だから黄色の宣材広告が増えたのかな?と思っていた人もいたかもしれません。

 

「国際女性デー」って何?

そもそも国際女性デーって何なのでしょうか?

1908年アメリカ合衆国のニューヨークで、参政権のない女性労働者が労働条件の改善を要求してデモを起こした。これを受けドイツの社会主義者クララ・ツェトキンが、1910年にデンマークのコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念の日とするよう提唱した[6]ことから始まった。国連は1975年(国際婦人年)の3月8日以来この日を「国際婦人デー」と定め、現在は国際連合事務総長が女性の十全かつ平等な社会参加の環境を整備するよう、加盟国に対し呼びかける日となっている。

Wikipediaより

約100年ほど前までは、世界各国をみても女性には参政権がありませんでした。
ちなみに日本の女性に参政権が得られたのは1945年。参政権を得てからまだ80年も経っていません。

100年前までは、自分達のことを自分で決める権利さえ女性には与えられていなかったのです。その当たり前の権利を勝ち取るために多くの女性労働者が立ち上がった。それが国際女性デーの始まりだと言われています。

ちなみに日本で国際女性デーが話題として取り上げられたのはまだ5年ほど。
ただ本来の意味を知って国際女性デーやミモザの日を話題にしている人はどれだけいるのだろうか?と思うこともあります。

 

ジェンダー指数120位の日本

日本は諸外国から見ても女性の権利が疎かにされている国の一つです。

世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が2021年3月、「The Global Gender Gap Report 2021」を公表し、各国における男女格差を測るジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)を発表しました。この指数は、「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示しています。2021年の日本の総合スコアは0.656、順位は156か国中120位(前回は153か国中121位)でした。

参照:内閣府HP 「共同参画」2021年5月号 https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2021/202105/202105_05.html

世界経済フォーラムが出した指数では156か国中120位という先進国中でも最低レベルだと言われています。
特にその中でも突出して低いのが「政治」と「経済」です。女性の平均所得は男性よりも43.7%も低く、特に一度結婚や子育て等で離職してしまうと、それ以前と同等の所得を得ることは非常に難しくなります。

しかし子供のいる女性が、離職せずに子育てをしながら仕事を続けるのは容易ではありません。子供を持つ女性にとって日本は働きやすい社会ではないのです。女性が働きたいのであれば、家事・育児をしながら働くのが当たり前と言う風潮はなかなかなくなりません。家事・育児において「主役は女性、男性にはお願いして手伝ってもらう」残念ながらこのような価値観がまだまだこの日本社会に根強く残っています。

そのためどうしても妊娠・出産とともに離職する女性も少なくなく、結果的に女性の平均所得はかなり低くなってしまうのです。

 

社会の在り方が変わらなければ少子化は止まらない

2022年4月より、長年不妊治療当事者が望んでいた「不妊治療の保険適用」がスタートします。国は少子化対策の目玉として、この「不妊治療の保険適用」をスタートさせるようですが、不妊治療が保険適用されたからといって、少子化が止まるわけではありません。
子供が欲しいと悩んでいるのに、金銭的な面で諦めているカップルへの大きな支援とはなりますが、あくまでも「少子化対策」の一つにすぎません。

日本のこのジェンダー指数が120位という数値である間は、少子化は止まらないのではないかと感じています。

そもそも不妊治療をするにしても、不妊治療と仕事の両立という問題にぶつかります。
出産後も、保育園入所問題から、平時のお迎え、子供が熱を出した時の急なお迎えや休暇取得、小学校に入学しても学童に入所出来ないなど様々な問題にぶつかります。

そんな時に社会は女性の両立したいという思いにこたえてくれるのでしょうか?
「仕方ないこと」と今まで積み上げてきた仕事を諦め、融通の利く仕事に変わる女性も少なくありません。と同時に、所得も半分以下になることも珍しくないのです。

そんな負担を一手に背負わされているのが今の日本の女性の現状です。

このような社会で子供を産み育てたいと思う女性が減っていくのは自然の流れなのかもしれないと思うことがあります。

生殖年齢という点から見れば、子供を望む人にとっては20代で出産できる社会になることがベストな選択肢なのかもしれません。
しかし今の日本ではそれは「夢物語」でしかないなと感じるのです。

 

健康のジェンダー指数は低くない でも本当に女性に決定権はあるのだろうか?

実は「健康」の項目に関する男女差はほとんどなく、指数も0.973(1が平等)となっています。これだけ見れば、健康に関しては差はないのではないかと思われがちですが、本当にそうなのでしょうか?
日本は皆保険制度がある関連で、男女ともに病気になれば基本的には保険で診療が可能です。そのためこのような差がない数値が出てしまうのかもしれません。

一般的な疾患であれば女性だから病院にかかれない、薬を貰えないということはほとんどないでしょう。

では女性特有の症状になればどうでしょうか?

生理痛、PMS、更年期…そもそも病院に行くという選択肢すらなかった人も多いのでは…
仕方ないもの、女性だから我慢するべきもの…無意識のうちに植え付けらえていた人も多いのではないでしょうか?

日本で経口避妊薬「低用量ピル」の承認に約40年もかかったのは女性のヘルスケア分野で活動している人たちの中では有名な話です。
そもそも日本の女性には治療方法の選択肢や避妊方法の選択肢すら与えられていなかったのが現実なのです。

またこの経口避妊薬「低用量ピル」、国によっては無償で配布されているところもあるにもかかわらず、日本では避妊の目的で処方してもらうと自由診療となります。(月経困難症であれば保険診療)

避妊はそもそも「人権」の一つであるにもかかわらず、それすら女性主導で行うためには毎月の負担が必要になってくるのです。

経口避妊薬だけではありません。緊急避妊薬、経口中絶薬、女性の生殖に関わる薬類の認可は他国と比べて非常に遅い、もしくは認可されてもかなりの費用負担が必要なのが今の日本なのです。

そして望まない妊娠に苦しむのもまた女性です。事件としてニュースになどで取り上げられた時もそこにはまず相手である「男性」の姿はありません。

見かけ上は無いように見えている「健康格差」も、実態をみればかなりの健康格差があるように感じてなりません。

 

3月08日をお祭り騒ぎだけで終わらせていけない

ここ数年、3月08日に国際女性デーに伴って様々なイベントや講演会などが催されています。
しかし、国際女性デー本来の意義が全ての人に伝わっているのかは疑問に感じることも少なくありません。

また商業的なお祭り騒ぎになってしまっている感も否めないのが正直なところです。

あれだけ、「ミモザ」「ミモザ」「国際女性デー」と騒ぎ立てていても3月08日が過ぎれば、女性の権利が話題になるのは極々一部の日ごろから活動している方達だけ。

国際女性デーを3月08日に1日のお祭り騒ぎで終わらせるのではなく、継続して女性の権利を訴えていかなければ、いつまでたっても日本はジェンダー指数120位のままなのだと思います。

女性が自分の健康を守り、仕事も妊娠・出産も叶えられる社会になるためにも、その日だけではなく継続して必要な権利を訴えていくことが大切になってくるのではないでしょうか?

 

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