【働く妊活】不妊治療と仕事の両立だけを優先させたクリニック選びは危険!

不妊治療と仕事を両立させようと思ったときにあがってくる問題点の一つに、”通院回数”があげられます。

不妊治療と仕事の両立においてネックになってくる通院回数。
通院回数を減らすたことを優先させた不妊クリニック選びの問題点について、をこの記事ではお伝えしていきます。

 

不妊治療において通院が仕事との両立を考えた時になぜここまで問題とになるのか?

 

不妊治療に限らず、様々な病気を抱えて病院に通いながら仕事をされている方はたくさんいます。
しかし、それらの通院負担や仕事との両立はそこまで問題になりません

でも、不妊治療の場合は違います。
不妊治療と仕事の両立に悩み、仕事をやめたり、働き方を変えたり、治療を断念する女性は35%もいます。

なぜ、こんなにも多くの女性が仕事や治療をやめざるおえないのでしょうか?

それには不妊治療のための通院負担が影響しています。

一般的な病気であれば、毎月(もしくは毎週)指定された日に予約をして通院することになります。
その為、前もって通院の予定が立てやすく、仕事の方も事前に準備や引き継ぐ段取りが出来ます。

そして毎日や2日に1回など頻繁に通院する必要はありませんし、よほどのことがない限り近隣の病院で治療が受けられます。

仮に手術は大学病院で行ったとしても、普段の経過観察に関しては近くの病院を紹介してもらえます。
また、予約制のためにある程度通院にかかる時間も把握できます。

 

しかし、不妊治療の場合はこうはいきません。

・通院は排卵前の時期だと、毎日、もしくは2日・3日に一度の通院が必要な場合がある
・次の通院日はその日の診療で突然来まる(明日もう一度ということも少なくない)
・生理周期によって通院日が決まるので、リセット後の通院日も生理が来ないとわからない
・受診のための待ち時間も長く、診察が終わる時間も読めなく遅刻か半休か休暇が必要かは行ってみないとわからない
・近くに不妊専門のクリニックがない場合は遠方への通院になるため、さらに通院にかかる時間がプラスされる

 

これが不妊治療での通院と一般的な病気での通院の大きな違いになり、治療と仕事の両立の難しさを生む一つの要因になっています。

 

 

通院負担を減らすために出来ることは?

 

不妊治療と仕事を両立させるためには、どうしてもこの通院負担を減らす必要があります。

会社に治療と仕事の両立を支援する制度があって不妊治療のための時間有給や休暇が認められていても、やはり仕事をしている以上は出来るだけ通院回数は減らしたいと思うものです。

通院負担は出来るだけ最小限にしたいと…
これは仕事をしていなくてもそう思う人は少なくないはずです。

 

では、通院負担を減らすために出来ることは何があるでしょう

・採卵のための排卵誘発剤の注射を自己注射にする
・移植時は移植スケジュールの立てやすい治療方法(ホルモン補充)を選ぶ
・遠方のクリニックの場合、近隣のクリニックと提携が可能なところを探す
・出来るだけ注射の少ない治療を選択する
・出来るだけ、会社や自宅に近いクリニックを選ぶ
・待ち時間の短そうなクリニックを選ぶ

でも、ちょっと待ってください。
こちらの選択肢、必ずしもすべてがお勧めできる内容ではありません。

基本的に不妊治療と仕事の両立を考えた選択肢として取れる手段は上の2つだけ
下の3つの方法に関しては、自分に合う、合わないを考慮にいれて考える必要があります。

 

・遠方のクリニックの場合、近隣のクリニックと提携が可能なところを探す

こちらは地方で不妊治療をしている人にとって助かる選択肢の一つですが、実施しているクリニックはそこまで多くありません。
もし、地方で不妊治療をされていて都市部のクリニックを受診する場合は、選んだクリニックが近隣のクリニックとの連携が可能か確認してみるのも一つの方法です。

 

通院回数を減らすことを優先して不妊クリニックを選ぶのはちょっと待って

 

通院回数を考えた時、出来るだけ通院回数を減らしたいとそれだけを考えてクリニックを選ぶ人もいますが、それはちょっと待ってください。

確かに

・出来るだけ注射の少ない治療を選択する(自然周期採卵や低刺激法での採卵)
・出来るだけ、会社や自宅に近いクリニックを選ぶ
・待ち時間の短そうなクリニックを選ぶ

これら3つを選べば、通院負担を減らすことは出来ます。

しかし、これらの選択基準で選んだクリニックが必ずしもあなたにあった、最短で妊娠できる治療方法を提供してくれるとは限りません。

もちろん、会社や自宅の近くで、待ち時間の短そうなクリニックで受けたい不妊治療が受けられればベストです。

不妊治療のためにクリニックを選ぶ際にチェックしてほしい点があります

・卵巣刺激は高刺激や低刺激など、個々にあった方法を採用している
・移植の選択肢が多い
・生殖医療専門医が在籍している
・検査の選択肢が多い
・治療方針に幅がありオーダーメイドの治療が可能
・男性不妊に対応している
・培養室のレベルも高い

これらがすべて網羅されているクリニックは多くはありませんが、出来る限り上の7つの条件を満たすクリニックを選ぶことが結果的に妊娠への近道になります。

少なくとも、治療方針に幅があり、”オーダーメイドの治療が可能なクリニック” ”卵巣刺激の選択肢が多いクリニック”はクリニック選びでは外せないポイントです。

だからこそ通院のしやすさや、通院回数の少なさだけに目を向けるのではなくて、クリニックを選ぶ際はまずはそのクリニックの治療方針をしっかりと調べて選んでほしいと思います。

 

1周期の通院回数より全体の通院回数に目を向けて

 

不妊治療の1周期あたりの通院回数だけを考えると、自然周期採卵や飲み薬による低刺激で採卵を行う治療方針を選ぶことで、通院負担を減らすことは可能です。

しかし、これはあくまでも1回の採卵周期の通院負担を減らすことだけにしかなりません。

自然周期採卵や低刺激による採卵の場合、採卵できる卵子が1個から3個、多くても5個程度しか採卵できません。
この場合、移植できる胚まで育つ卵子は1個や2個程度、場合によっては1個も移植できる胚まで育たないなんてことも普通に起こりえます。

そうなると、移植には進めずにまた採卵からやり直しです。

仮に移植できる胚が1個出来ても、その1個で妊娠出来なかった場合はまた採卵からスタートになります。

 

しかし、高刺激での採卵の場合は、卵子が10個から多い人では20個以上採卵できる場合もあります。
個人差はあるものの、その中から5個や10個以上、移植可能な胚が出来ることも少なくありません。

胚がたくさんれば、その中からより妊娠率が高そうな胚を選んで子宮に移植することが出来ます。
またその移植で妊娠出来なくても、凍結保存している胚があるため、再度採卵から始める必要はなく、もう一度移植から治療がスタートできます。

 

確かに、採卵1周期当たりの通院負担だけを見れば、自然周期採卵や低刺激での採卵の方が通院回数が減らせますが、全体で見た場合は高刺激での採卵の方が通院負担が軽くなる場合も少なくありません。

何より、高刺激での採卵の方が妊娠率も高くなるというデータがあります。

 

1回の採卵だけの通院負担だけを見てしまうと自然周期採卵や低刺激での採卵の治療方法を選択しがちですが、どの刺激方法が自分にあうのかはやってみないとわかりません。

不妊治療と仕事の両立を優先するばかりに、通院負担を減らすことだけを考えて不妊クリニックをを選びがちですが、自分にあった治療方針を提供してくれるクリニックを選ぶようにしましょう。

結果的に、自分にあった治療方針を提供してくれるクリニックに通院することで、治療の長期化を防ぐことができ、治療と仕事の両立も可能になります。
1周期の通院負担は少なくても、その状態が何年も続けば、治療と仕事の両立は難しくなってきます。
だからこそ、最短で妊娠できるクリニックを選ぶことが大切になってきます。

 

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