【働く妊活】 不妊治療退職ゼロの為に当事者と社会が出来ること

2011年の7月
私は仕事と治療の両立に限界を感じ、今後のステップアップを視野に入れ前職を退職するという選択をしました。

大好きであり、やりがいもあった仕事

子どもを持たない選択肢もありではないか?と考えた事もありました。
35歳ぐらいまで治療をお休みしてその後にステップアップを考える、そんな選択肢もあるのではないか?とも悩みました。

しかしステップアップするなら早い方が良い。
後になって、なぜ32歳のあの時にステップアップをしなかったのか?と後悔したくない

そんな思いで退職を選びました。

 

 

不妊治療と仕事の両立に悩んでいる女性は多い

 

実は周りが思っている以上に不妊治療と仕事の両立に悩んでいる女性は多くいます。

しかし、どうしてもプライベート感が強く、聞く方も一つ間違うとセクハラとも取られかねない分野
当事者も周りに相談出来ない反面、会社側も中々突っ込んでは尋ねににくい分野だったりします。

 

「不妊治療と仕事の両立に悩んでいる女性が多いこと」に気がづいたのは、自分が仕事を辞めてからでした。

2012年に「卵子の老化」が話題になり、それから少しずつ不妊治療というものが話題に上るようになり、テレビなどでも取り上げられるようになってからです。
実は同じように悩み、同じように退職をした女性がいると知ったのです。

そして、息子を出産後不妊で悩む女性を支援したいと活動をはじめだすと、「実は私も…」なんていうお声を聴くようになりました。

みんな一人で悩んでいたのです。

実際に今年の3月に厚生労働省が発表したこんなデーターがあります。

*データーは厚生労働省の報告書を元に私自身が加工したものです。

不妊治療をきっかけに35%の人が何らかの形で仕事と治療の両立を断念しています。
また、両立を続けた65%の人のうちに87%の人が両立の難しさを感じています。

この87%の人の中からもまた、仕事と治療の両立を断念する人が出てくる可能性がゼロではありません。
というより、多分出てくる事になるでしょう。

 

しかし、不妊治療をしている女性が仕事と治療の両立に悩んでいる反面

実は67%の企業はそれらの実態を把握していないという結果が出ています。

 

なぜ企業は不妊治療を行っている従業員の実態を把握していないのか?

 

これは最初にも書きましたが、あまりにもプライベートな事なために関与しにくいというのが、大きな理由としてあがってきます。

それ以外には
・要望がない為必要ないと感じている
・他に優先事項がある
・法律で要求されていない為
・不妊治療に関する知識や認識が低いため
・過去に前例がない

などの意見があがってきています。

 

当事者の声が会社側に届いていない

これが今の不妊治療を取り巻く現状なのです。

 

実際に…

7割の企業において不妊治療と仕事の両立を支援する制度や個別対応がないのが現状です。

 

人材不足の今、30代、40代の女性が退職していくのは大きな痛手となる企業も少なくありません。
また、女性自身もそこまで築いてきたキャリアを手離すことは大変惜しい。

 

不妊で悩む事がなければ「不妊治療退職」と言う言葉で悩む必要はなかったかもしれません。
産休・育休制度が整い始め、周りへの理解も浸透しはじめ、多くの女性が妊娠・出産に関係なく仕事を続けられるようになりました。
しかし、不妊で悩む女性はその制度にすら辿り着けず会社を去って行く人も少なくありません。

 

 

不妊治療退職をゼロにする為に必要なこと

 

【当事者】

・キャリアプランとライフプランを同時に描き、妊娠適齢期があることを知ったうえで選択していくこと
・自分自身の身体のことを知り、不妊の要因となるような不調(生理痛や無月経)を放置しない(身体に関心を持つ事)
・妊娠を必要以上に先延ばしにしない
・不妊治療の限界を知る(年齢が上がればあがるほど出産にたどり着く人は少ない)
・働き続けたいことを会社に伝える
・一人で抱え込まない

 

【会社側】

・不妊治療休暇通院しやすい仕組みなど支援制度などの導入
・妊娠や不妊治療に関する理解
・社内カウンセラーの設置
・従業員(特に管理職)向けの研修
・社内への不妊に関する知識の定着

 

 

 

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