【不妊治療とお金】 不妊治療費という大きな負担 ①

不妊治療を続けていくうえで必ずぶつかるといっても過言では「高額な不妊治療費」という大きな壁。

先日も母の日にツイッタ―では「#不妊治療費高い日本しね」というハッシュタグがついた投稿がたくさん流れてきました。
この表現方法が適切かどうかは別として、これが不妊治療を受けている多くの方の本音なのです。

私はお金の専門家ではありませんので、どこまで不妊治療費にお金を費やすことが出来るか?そもそも不妊治療ローン(後術します)を利用してその後の返済についてなどの最終的なシュミレーションは、必要に応じて専門家をご紹介させて頂きますが、簡単に不妊治療に関わる費用、そしてそれらにまつわる問題点などを記載していきたいと思います。

 

目次

1雑誌などで見かける一般的な不妊治療費は正確ではない?
2不妊治療の助成金っていくらもらえるの?
3なぜ不妊治療は保険適用にならないのか?
4貯金を全額不妊治療にあてないで
5不妊治療ローンって何?
6治療には終わりがある…だからこそ
7仕事を不妊治療退職する前に…

 

1雑誌などで見かける一般的な不妊治療費は正確ではない?

不妊治療を始める前、体外受精にステップアップする前、多くの人が気になるのが「治療費」です。ネットや雑誌で調べたことがある人も少なくはないのではないでしょうか?
また、このネットや雑誌に記載されている金額が標準的な価格と思っている方も少なくありません。

その為、当事者の方は実際に窓口で支払う費用に驚かれる方も少なくありません。また、当事者ではない場合は、ネット等に記載されている金額が平均的な金額と思いがちです。

では、ネット等で調べるとだいたいどのような金額が記載されているのでしょうか?
20万~60万 約30万 30万~60万

このぐらいの金額を示されているものが多くみられます。
クリニックの費用事例でも多くの場合は30万~40万の事例が記載されています。

しかし…実際にかかった費用の話しやアンケート結果などを見ると、70万~100万ぐらいをあげられる方が多くみられます。
実際に請求が来て驚いた…なんて話もよく耳にします。

この差はなんで起こるのでしょうか?
クリニックの費用事例等を見ると、排卵誘発にかかる費用などがプラスされていなかったり、採卵数が少なかったりなど、かなり少ない金額で見積もられているのがよくわかります。
最低限の金額でしか見積もられていないことが多いのです。

その為、こんなにかかると思っていなかった…なんてということが後から起こってしまうのです。

 

2不妊治療の助成金っていくらもらえるの?

とはいえ、不妊治療に関しては助成金があります。その為条件の範囲内という前提はありますが、必ずしも全額負担が必要とは限りません。
では、この助成金っていくらもらえるのでしょうか?

これに関しては各都道府県、市町村で所得制限や検査補助などが変わってきますので、まずは自分の県で調べてみてください。
(地域によっては市が助成しているところもあります)

ここでは、私の住む滋賀県を例にあげて紹介させて頂きます。ちなみに滋賀県でも大津市の場合は大津市が別で行っていますので、申請が別になります。

ちなみに大津市の場合は体外受精だけではなく、不妊検査・一般不妊治療でも、かかった費用の半額(上限5万)で助成金がもらえます。
最近は助成金が拡大されている県や市が増えていますので、一度ご自身の市がどうなっているかを調べてみることをお勧めします。過去にさかのぼって申請すること(期限あり)も可能な場合もありますので、一度調べてみてくださいね。

 

貰える助成金額(滋賀県の場合)

滋賀県の場合、初回の上限が30万 2回目以降が15万(既に凍結していた胚移植のみの場合 7.5万 採卵したが卵が得られない場合 7.5万)となっています。助成の上限が40歳未満からの治療スタートで6回(43歳まで) 40歳~43歳の治療スタートで3回(43歳まで)となります。

卵子の採卵数に違いがあったり、使用する薬の量や、保存凍結胚を移植したりと…毎回かかる治療費が変わる為、単純計算とはいかないのですが…

6回の治療総額が350万とした場合、補助で貰える金額が105万 自己負担が245万となります。貰えないよりは貰える方がありがたいのですが、まだまだ自己負担が大きいのが現状なのです。ちなみに、これが3割の保険適用だった場合、自己負担が105万となります。
105万でも決して安くない金額ですが、現状の助成金制度と比べると倍以上の金額の差が出てきます。

その為、多くの方が不妊治療の保険適用を求めて声をあげられているのです。

 

3なぜ不妊治療は保険適用にならないのか?

不妊で悩む人の負担が少しでも軽くなればと、不妊治療の保険適用を願わずにはいられませんが…
実際はとても難しい問題なのではないかと思います。

というのも…

・不妊治療に関しては標準的な治療方法が確立されていない(各クリニックの独自色が強い)
・不妊治療の終わりの線引きがされていない

もちろんこれ以外にも様々な問題があるのでしょうが…まずは何より、標準的な治療方法を決めないと保険点数を決める事が出来ません。
また、年齢的な制限や回数の制限を保険の中で決められるのか?という問題も発生しています。

この事を考えると、まずは助成金の引き上げを考えるのが先なのではないかと思うのです。

後、やはり各クリニックが確率が高く、不要に同じことを繰り返さない治療方法を採用していくことも必要ではないかと思うのです。

 

4から7は②に続きます

 

 

妊活・不妊相談のご案内

対面でのご相談は滋賀・京都で行っております。
遠方の方はZoomでのご相談も可能です。
また、金土日で、滋賀県東近江市まで来て頂ける方に限り夜間のご相談も受けていますので気軽にご相談ください。

詳しくはこちらをご確認ください
遠回りをしない 妊活・不妊治療の進め方 個別サポート

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≪プロフィール≫

笛吹 和代

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関西を中心に活動し、臨床検査技師の国家資格を保有する、日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー

自身の不妊治療退職をきっかけに「働く女性の不妊治療退職ゼロ」を目指して、妊活や不妊の悩む女性の個別相談を行ったり、セミナー講師として活動したり、妊活や不妊をサービスとする専門家向けの講座も行っている。

また、働く女性向けサイトで妊活コラムも担当

2017年5月 医療職とファイナンシャルプランナーによる妊活や不妊で悩む女性を支援するプロジェクトチームを立ち上げる。2018年9月には第1回目の妊活イベント「ワタコレ」を関西で開催し100名を超える方で当日はにぎわった

≪経歴≫
1979年滋賀に産まれる
不妊治療の末2012年に男児を出産

子どもの頃から身体の仕組みに興味があり、医療系の学部に進学する。
卒業後は検査センターで様々な検査や健診に携わったのち、製薬メーカ・化粧品メーカで専門職として勤務する。28歳で結婚、29歳から妊活をスタートするものの妊娠にたどり着かず、32歳で前職を退職し、33歳で第1子を出産

その後健診現場に復帰するが、自身の経験から不妊で悩む女性の支援をしたいと事業をスタートさせる。現在は当事者支援と不妊予防を伝える事に力を入れている。

≪講座開催実績≫
2015年より自身で講座主催をする傍ら
大津市男女共同参画センター様、漢方薬局様、鍼灸師団体様 カルチャーセンター等で妊活や不妊、女性の身体に関する講座を開催

≪コラム掲載≫
奈良の子育て応援アプリ「ぱーぷるmama」にてコラム掲載
専門家によるパパママ応援サイトIKU♡LOVEにてコラム掲載
NAILIST JOBで女性向け コラム掲載
働く堅実女子のお悩みサイトsuits-womanで妊活コラムを担当

≪取材実績≫
日本成人病予防協会 妊活ページ取材

≪ラジオ出演≫
インターネットラジオ fmGIG 「マゴちゃんのツナガリっちょラジオ」出演
インターネットラジオ fmGIG 「コトリカの輝くママきっぷ 」出演

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