【妊活・不妊治療基礎知識④】 排卵日だけを狙っても妊娠は難しい 妊娠率を上げるためのタイミングの取り方とは?
では「排卵日だけを狙った性行為では妊娠率は下がってしまいます」という内容で締めくくりましたが、今回は「妊娠しやすいタイミングとは?」について書いていきたいと思います。
ちなみにこの自分たちで行う自己流タイミングは
・生理周期が大きく乱れていない
・基礎体温がある程度2相になっている
場合にある程度の成果を望む事が出来ます。
現時点で、生理周期がかなり乱れている、そもそも基礎体温が2相になっていない場合は自己流の妊活を続けるのではなく、早めに不妊クリニックの受診をお勧めします。
また、1年以上自己流の妊活を続けている場合も出来るだけ早い段階で一度不妊クリニックで検査を受ける事をお勧めしています。
なぜ?排卵日だけを狙ってはいけないの?
妊活をしている夫婦となると、共働きの夫婦が多くなります。
共働きではなくても、ご主人の帰宅が遅いや、2人目妊活の場合だと育児に追われているなど、平日はなかなかゆっくりと時間を取る事が出来ない夫婦も少なくありません。
出来れば排卵日1日だけをピンポイントで狙い撃ちしたいと考えてしまう気持ちもわかります。
しかしちょっと待ってほしいのです。
実はもっとも妊娠しやすいのは「排卵日の2日前」という報告レポートがあります。
年齢によっては妊娠のしやすさが排卵日当日と2日前を比較すると4倍~5倍の開きがあることがグラフから読み取ることが出来ます。
なので排卵日だけを特定して、その日に狙い撃ちすると逆に妊娠しにくいという結果をまねていてしまう可能性すらあるのです。
そして日本で一般的に販売されている排卵検査薬では排卵日2日前を確実に捉える事は出来ません。
排卵検査薬で排卵日2日前を捉える事は難しい??
実は排卵検査薬の感度の問題ですべての検査薬が2日前で陽性を示すとは限らないのです。
そして、人によってもLHサージ(排卵検査薬に反応するホルモン)の出方は様々であり、確実に排卵検査薬で排卵日2日前を特定する事は困難だと言われています。
そして、日本で一般的に販売されているドラックストアなどで手に入れられる排卵検査薬は感度が30mIU/や40mIU/mLのものになります。
その為、排卵日の1日半から1日前ならないとに陽性になりません。
また、排卵検査薬の使い方にも問題があります。
多くの人は排卵検査薬を朝に使われる場合が多いと思いますが、朝で陽性となった場合でも結局タイミングを取るのはそれから12時間以上経った後になってしまいます。
その為、一番妊娠しやすいピークからどんどん離れてしまうことになるのです。
海外製の排卵検査薬にはもう少し感度が低いものがあり(感度 20mIU/mL)、排卵日の2日前、もしくは3日前ぐらいから反応するものがありますが国内では手に入れられない為、海外から購入する必要があります。
また感度が低い為、人によってはずっと排卵検査薬が反応し続ける事もあります。
ちなみに海外製のもの(感度 20mIU/mL)を使うのであれば、朝と夜の2回使いがお勧めです。
タイミングは出来れば月に数回はとりたい
排卵日を狙ったらダメなことは分かった
でも、じゃーどうすればいいの??そんな声が聞こえてきそうですが…
排卵日ってとっても気になるものですよね。
これは私自身も不妊治療の経験者なのですごくよくわかります。
排卵日を気にしないでと言われてもやはり排卵日は気になるもの。
それを気にするなっていうのが無理なのです。
なので、排卵を日でみるのではなく『期間』でとらえてみませんか?
通院されている方は、エコーなどからの排卵日予測
通院されていない方は、排卵検査薬や基礎体温からおおまかな排卵日を予測します。
3ヶ月ぐらい様子を見ていると自分の生理のリズムって見えてきます。
ここでおおまかな排卵期間が予測できないぐらい生理周期が乱れている場合は、自己流の妊活を続けずにクリニックで相談した方が良くなってきます。
クリニックであれば、エコーで直接卵胞の発育が確認できるのでそろそろ排卵しそうというのがよりわかりやすくなります。
自分で排卵期間を特定する場合はあくまでも予測で大丈夫です。
生理周期がそれなりに安定していれば、生理終了後1週間~10日前後で排卵するかと思います。
(生理期間を7日と想定)
その期間で2.3日置きに、2回~3回ぐらいタイミングを取れるといいかなと思います。
平日に何回もタイミングは難しい・・・という声もありますが、最低でも2回以上はタイミングはとってほしいと思います。
精子は運動能力を維持する為にも3日に一度ぐらいは入れ替えるのがお勧めだと言われています。
昔は禁欲期間なんて言葉もありましたが、今はあまり言われなくなりました。
その為、月に一度のピンポイントの性行為では、例え排卵日2日前にタイミングが取れていてもどうしても妊娠率は下がってしまいます。
「排卵日を考えてタイミングを取る事がストレスになる・・・」そんな話を伺う事もあります。
そんな場合は、お休みの日は楽しむ性行為を、そして排卵日近くだけ少し頑張ってみるのもありです。
それすらしんどい・・・という場合は、無理に夫婦だけで頑張ろうとするのではなく、賢く医療の力もかりながら妊活を進めていく事をお勧めしています。
関連記事
information
個別相談の案内 臨床検査技師・認定不妊カウンセラーの資格を持つ専門家が妊活・不妊治療のご相談にのります 現在、オンラインで開催中
お問い合わせ 研修講師・執筆などのお仕事の依頼も受けております。
|