【妊活・不妊問題】 なぜ少子化対策に不妊治療への支援が必要なのか?

2019年の出生数が90万人を割るかもしれない・・・
こんな話題が出たのが10月頃だった

そして先日でたニュースがこちら・・・

2019年に生まれた赤ちゃんの数が1899年の統計開始から初めて90万人割れし、過去最少となるのが確実になったことが6日、厚生労働省への取材で分かった。同省の研究機関はこれまで90万人割れを21年と見込んでおり、推計より2年早い。想定を超えて加速する少子化に、政府関係者は「大変厳しい状況だ」とし、社会保障制度などへの影響を懸念した。
厚労省は今月下旬に出生数や出生率をまとめた「人口動態統計」の年間推計を公表する予定だ。関係者は、今年の出生数が86万人程度にとどまる可能性を示唆している。

参照 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191206-00000191-kyodonews-soci

90万人を割るどころか85万人に手が届きそうな勢いである・・・

この話を受けて様々な少子化対策の話題があちこちから出ている

・結婚して出産してもらうにはどうしたらいいのか?
・1人ではなく2人 2人ではなく3人を望んでもらえるようにするのにはどうしたらいいのか?

などどちからというと、結婚を望まない人、子供を持つ事を望まない人にスポットをあてた議論が多くみられる。
しかし、これらに関してはある程度やってきたのではないか?と思う事もある。
もちろんまだまだ支援が届いていないところもあるだろう。
ワンオペ育児など男性の育児参加率の低さや待機児童の問題もあるだろう。

ワンオペ育児が解消されて、保活問題がなければもう一人欲しかった・・・
そう思う人も少なくないだろうとは思う。
確かにこれらの支援や待機児童解決は早急の課題である。

ちなみに私個人の意見としてはワンオペ育児を夫婦の力だけで解決させるのではなくもっと家事や育児のアウトソーシングを含めて解決方法を考えるべきだと思っている。この話をすると本題から逸れてしまうのでまた別の機会に書きたいと思う。

 

子供が欲しいと願っている人への支援がされない不思議

 

不妊治療の体外受精によって2017年に誕生した子どもの数は、5万6617人だったとの調査結果を日本産科婦人科学会が29日までにまとめた。この年に生まれた子どものおよそ16人に1人の割合。最多だった16年の5万4110人を2500人余り上回った。

参照:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51520130Z21C19A0CR0000/

年に違いはあるものの多分2019年の体外受精での出生児数の数は大きく変わらない(若干の減少はあるのではないかとは思っているが)と考えて直近の数値を引用して話をしたいと思うが・・・

2019年の出生数が86万人程度と予測されているが、そもそもこの体外受精と言う不妊治療がなければ80万を切るか切らないかという状態になっているのが今の少子化の現状である。
そしてここにはタイミング治療(排卵誘発剤等を使用するこもある)や人工授精の数は含まれていない。
これらを含めれば本当に80万を下回るのではないかとすら思う事も・・・

そしてこれらの費用負担はわずかな補助金はあるものの多くは個人の自己負担でまかなわれている。
体外受精となると1回60万前後から高い場合は100万を超える
(排卵誘発の方法によってはもう少し金額を抑えられるクリニックもあるが・・・)
そしてこれらを何度も繰り返しているのである。
ちなみに初回の補助金は30万 それ以降は15万であり最高6回まで
そして所得制限が設けられているという特徴もある。

その為、金銭面が大きなハードルとなって体外受精へのステップアップをためらう人も少なくない。
またステップアップはしたものの・・・2.3回で金銭的な限界を感じ子供を持つ事を諦める人、しばらく治療をお休みする人もいる。

不妊治療の金銭面での支援(保険適応や補助金の増額 所得制限の撤廃など)があれば、子供が欲しいと頑張っている人が授かっていた可能性もあるのだ。

結婚や出産は考えていない。子供は一人で充分・・・と考えている人に、結婚して子供を2人、3人産んでほしいと願うより、本当に子供が欲しいと身を粉にして頑張っている人達をまず支援することが少子化対策の一つになるのではないかと思う。

そのためには金銭面での支援はもちろん、不妊治療へのアクセスを容易にすること、ある程度同じレベルで治療を受けられる環境を整えること、仕事と不妊治療を天秤にかけなくても良い世の中をつくっていくことも大切である。

ぜひこれらを少子化対策への一つに盛り込んで欲しいと願う。

不妊治療の支援をすればなぜ少子化対策になるのか?簡単な事例を元に紹介したいと思います
(事例は個々が特定されないように少し編集を加えています)

 

適切な不妊への支援が少子化対策になるわけとは?

ここに治療開始時20代後半の女性が4人いたとしましょう

Aさん 妻 不妊の要因なし 夫 男性不妊
Bさん 妻 卵管閉塞     夫 問題なし
Cさん 夫婦に検査では異常なし
    地方在住の為クリニックがなく、体外受精にステップアップするには都市部に出なければならないが治療費の他にも交通費の負担も気
なりステップアップ出来ない
Dさん 夫婦に検査では異常なし 金銭的な問題でステップアップが出来ず通院も終了

実はこの4人の女性 現在は40歳前後
Aさんには体外受精でのお子さんが2人 Bさんには体外受精でのお子さんが3人 Cさんには体外受精でのお子さんが1人います。
そしてDさんにはお子さんがいらっしゃいません。

Aさんの場合若いからという理由で、中々ステップアップを勧めてくれないクリニックに見切りをつけて転院後1回の採卵で多数の卵子が採卵出来そのまま一人目を妊娠。その後2人目も最初に採取し凍結保存していた卵子を使用して2人目を妊娠・出産されました。
最初の段階で多くの卵子を凍結出来た事で二人目不妊の通院が楽になったそうです。

Bさんの場合は卵管閉塞ということもあり最初からクリニックに体外受精を勧められて採卵。多数の卵子を凍結保存出来た事から2人目、3人目の出産につながりました。卵子の凍結が無ければ1人で満足していたかも・・・とのことでした。

Cさんの場合は金銭的な負担が大きく30歳後半までタイミングと人工授精を繰り返していたそうです。ただ周りのアドバイスもあり体外受精に踏み切りなんとか1人目は授かったが、1人目の時に凍結卵子は使い切ってしまった。2人目の通院も試みたが、子連れでの採卵からの通院は難しく2人目は諦めたとのことでした。
早めにステップアップしていれば1人目の時に多くの卵子が凍結出来ていれば2人目も産めたのかな?とのことでした。

実は私のご相談者さんにはCさんのような方も少なくありません。
近くにクリニックがない、お金の事、仕事と治療の両立、など様々な問題を抱えてステップアップ出来ない人がいます。
中にはクリニックの医師がステップアップを勧めてくれなくて・・・気づいたら40歳手前でしたという方もいます。

早めにステップアップ出来ていれば2人、3人と子供がいたかもしれない・・・とつぶやかれる言葉がいつも胸に刺さります。
と同時に、少子化、少子化というならなぜ産みたい人を支援してくれないのだと憤りを感じるのです。

そしてDさんのように金銭的な面からステップアップ出来ずに通院を終わられる方もいます。
超氷河期の影響を受けて新卒時に非正規社員で就職した人も少なくありません。
子供が産まれればそちらにもお金がかかります。だからこそ必ずしも結果が伴うかわからない高額な体外受精にお金を投資することは出来ないと言われます。

Dさんのような方のお話をお伺いするたびに
不妊治療が保険適用されていれば・・・せめて補助が5割、6割あればまた違った結果になったのかもしれないのにと思うのです。

あくまでもこれは一例です。
ここで知ってもらいたいのは早い段階で適切な治療にアクセス出来ていれば、2人・3人と子供を望むことも可能になってきます。
そして金銭面や仕事の面などでステップアップ出来ない人が、それらがクリアになり早い段階でステップアップ出来れば2人、3人と授かることも出来るということです。
もちろん統計的にデーター処理をしたわけではないのであくまでも可能性の一つでしかありませんが、検討してみる価値はあるのではないかと私は考えています。

しかしこのような事例を紹介すると、では早めにステップアップすれば妊娠できるのね・・・と思われがちなのですが必ずしもそうとはならないところが不妊治療のむずかしさです。
確かに若い方が妊娠率も出産率も高いのは事実ですが・・・
20代から不妊治療を始めても中々授からず悩んでいる人もたくさんいることも最後に付け加えておきたいと思います。

・最初から不妊専門のクリニックに行ってれば時間もお金も不要に費やす必要はなかったかもしれないのに
・不妊治療が保険適用であれば 治療⇒休んでお金を溜める⇒治療 を繰り返す必要はなかったかもしれないのに
・仕事との両立支援があれば仕事を辞めずに済んだのに

などなど様々な葛藤や苦労を抱えながら不妊と言う出口の見えないトンネルの中で必死に進もうとされています。

だからこそ我が子をこの手で抱きたいと必死に頑張っている人々に、様々な面でサポートが充実することを願ってやみません。
そしてそれがいずれは少子化対策になるのではないかと思います。

 

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