≪ご紹介≫ 子供を迎える為の様々な選択について考える本
普段は不妊カウンセラーとして、不妊治療に悩む方やこれから妊活や不妊治療を始めようとすると方の質問など様々なご相談に応じています。
ですから「妊娠すること」がご相談者さんの目標であることがほとんどですし、「妊娠したい」方がご相談くださります。
その為、普段はどうすれば少しでも早く、遠回りせずに妊活や不妊治療を進める方法をアドバイスしています。
しかし、時には「子供を持たない人生」についてお話しすることもありますし、血のつながった子供ではなく「特別養子縁組」についてお話しすることもあります。
今日は「子供を迎える事」にあたって様々な選択肢がある事を書かれた本のクラウドファンディングをご紹介したいと思います。
9年前・・・不妊治療の終わりを考えた時
「子供を持たない人生」言葉にすることは容易いけど、実際にはどのような生活が待っているのか・・・気持ちの折り合いはどうつけるのか?は正直経験しないとわかりません。
でも、子供を取り巻く選択肢は決して一つではないという事を知ってほしくて、必要だと思う方にはこれらの選択肢もご相談内でお伝えすることがあります。
もちろん私自身も不妊治療中ずっと頭の片隅にあった選択肢の一つでした。
9年前、前職を退職した時に今後の不妊治療について考えた際に、子供が授かれない未来、養子縁組と言う選択肢、2人でも一緒に生きていくのかどうするのか?そんな事を考え、話した記憶があります。
正直、机上の空論・・・どんな未来が待っているのかなんて想像も出来ません。
でも、今考えておかなければならない・・・そんな思いで体験や思いが記されている本を読んだ記憶があります。
とはいえ、9年前ですから・・・
まだまだ不妊治療について、子供を持つ、持たない、そんな事を書いている本は非常に少なかった記憶があります。
それでも様々な未来を想像するには書籍が一番のツールでした。
答えなんてない分野・・・でも経験した人が綴ったものにはその人の思いや感情を知るツールになります。
どんな葛藤があったのか?
なぜその選択をしたのか?
自分が選択するかもしれない未来の事を知りたいそんな気持ちでいっぱいでした。
そして、今もその気持ちは変わりません。
「子供を迎える為の未来」には様々な選択肢があります。
今はその選択肢を伝える側の仕事をしていますが、その選択肢を伝える以上、その時に生じる葛藤やその後の気持ちに出来る範囲で触れたいと思っています。
その手段の一つが書籍だと思っています。
今回、翻訳家である石渡悠起子さんが子どもをめぐるすべての選択を肯定する米国のノンフィクション「子どもを迎えるまでの物語」を翻訳出版する為にクラウドファンディングに挑戦されています。
この本を多くの人に読んでほしい
石渡悠起子さんのツイッタ―投稿を見た時「この本を読みたい」と強く思いました。
そして多くの人にこの本を読んでほしいと・・・
しかしこの本の全貌はクラウドファンディンが成功しないと世にお披露目されません。
どうしても「子供を迎える」事に関わる本は、不妊で悩む当事者やそれらに関わる人達以外には中々手にとってもらいにくさがあります。
でも、この本は「子供を迎える」という事は決して不妊で悩む人だけの話ではないという事を感じさせてくれる本なのではないかと感じています。
紹介文を読んでいても「子供を迎える」という事を通して、その影に隠れる様々な問題も浮き彫りになっています。
そしてこれらの問題は決してアメリカだけの問題ではなく、日本でも表に中々出てこないだけであって様々な問題が隠れているのだと感じています。
だからこそぜひこの本を多くの人に読んでもらいたいのです。
クラウドファンディングページに書かれている9つの事例を読むだけでも考える事がたくさんあります。
9つの事例のうちのこの一つはもしかしたら今この状況だからこそ響く人がいるかもしれません。
ベルの場合
著者。三度の人工授精を経て、体外受精治療への移行を医師に勧められる。
迷いながらも、体外受精に踏み切るまでのなかで、なぜ自分がこれほどまでに自らの子を渇望するのかを知るために、文化的なすりこみなどの背景や、医学的な根拠などを丹念にリサーチしながら、特別養子縁組を経て親になった人たちや、代理母を模索する人たち、子どもを持たないことを選んだ人たちと出会い、話を聞く。クラウドファンディングページから引用
今、新型コロナウイルスの影響で不妊治療に関して足踏みをしている人も少なくないと思います。
もしかしたら様々なリスクを考慮して妊娠すること自体を一旦ストップさせている人もいるのかもしれません。
思うように前に進まない現状にイライラしている人もいるでしょう・・・
こんな時だからこそ、なぜ自分がそこまでして自らの子を渇望するのか考えてみてもいいのかもしれません。
そしてこれは2人目不妊で悩んでいる人にもぜひ考えてみてほしいと思います。
この本の中で紹介されている様々な事例を通して自分の人生をこれからの未来を考えるきっかけになるのではないかな?と感じる本です。
体験談・経験を通して社会に伝えたいという共通する思い
私はこの一文を読んだ時に、勝手ながら同じ思いを持った人がいる・・・そう感じました。
2015年の国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」によると、結婚10-14年目の夫婦の21%以上、つまり5組に1組が不妊治療を受けたと発表しています。不妊治療についての説明する本や妊活に関する本は日本でも出版されていますが、当事者の声を記した本は圧倒的に少ないのが現状です。
この問題を、オープンにすこやかに当事者も社会も議論できるようになるためには、「悩んでいるのは自分だけでない」「何もおかしいことではない」とくり返し読者に伝えてくれる個人の体験が非常に重要だと思います。クラウドファンディングページから引用
今、日本の不妊治療や妊活関連の書籍コーナーを見るとノウハウ本はたくさん並んでいますが、当事者の思いを綴った本はないわけではありませんが圧倒的に少ないのが現状です。
当事者の声、当事者の思いというのは中々広く知られていません。
知らないから、声があがってこないから・・・何が問題なのか?何を議論していけば良いのかわからない、それが今の日本なのだと思います。
ようやく、ようやく少しずつですが投当事者の声が広く取り上げられるようになりましたが、それでもまだまだ少ないのが現状です。
私自身も自分の経験を伝える事で今の不妊治療の現状を少しでも変える事が出来ればと活動してきました。
そして、この「不妊大国日本」でどこに声を上げたらよいのか悩みながら、戸惑いながら不妊治療を進めている人の声を自分自身の経験もあわせて社会に届けたいと現在執筆中です。
(この新型コロナウイルスの影響で日程を再調整中ですが・・・)
今の日本の少子化を変える事が出来るのはそういう「当事者」や「経験者」の声なのだと思います。
社会が他人事として議論に加わらなければ、問題解決は一向に進みません。
子どもをめぐるすべての選択を肯定する米国のノンフィクション「子どもを迎えるまでの物語」
この本が日本の少子化問題を不妊治療を取り巻く社会環境を議論する為の一つになればいいなと願っています。
そしてたくさんの方の手に取って頂きたいそんな気持ちでご紹介させて頂きました。
ぜひご興味のある方はこちらから詳細をご確認ください
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≪プロフィール≫ 笛吹 和代 関西を中心に活動し、臨床検査技師の国家資格を保有する、日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー 自身の不妊治療退職をきっかけに「働く女性の不妊治療退職ゼロ」を目指して、妊活や不妊の悩む女性の個別相談を行ったり、セミナー講師として活動したり、妊活や不妊をサービスとする専門家向けの講座を実施。 また、働く女性向けサイトで妊活コラムも担当 2017年5月 医療職とファイナンシャルプランナーによる妊活や不妊で悩む女性を支援するプロジェクトチームを立ち上げる。2018年9月には第1回目の妊活イベント「ワタコレ」を関西で開催し100名を超える方で当日はにぎわった。 現在は妊活や不妊治療支援サービスを行う企業と提携し顧客向けの妊活や不妊相談なども行っている。 ≪経歴≫ 子どもの頃から身体の仕組みに興味があり、医療系の学部に進学する。 その後健診現場に復帰するが、自身の経験から不妊で悩む女性の支援をしたいと事業をスタートさせる。現在は当事者支援と不妊予防を伝える事に力を入れている。 ≪講座開催実績≫ ≪コラム掲載≫ ≪取材実績≫ ≪ラジオ出演≫ 講師・取材・執筆依頼は下記からお問い合わせください |